猫娘と最終章:さらに向こうへ
NO.111 家庭訪問
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いたのを見計らってまた話し出す。
「モンスターペアレンツかもしれません。むしろモンスターでいいです。私は、出久の夢を奪いたくありません。
どうしても、ヒーローになりたいのなら別の学校だっていいと思っています」
「ッ!」
「(辛い事だな……私に憧れ、私を追ってきた君にとって“雄英で学ぶ”というのは……大きな意義がある。そこを断たれるのは――――……)」
オールマイトは言葉を失っている出久を見た。
だが、そこでオールマイトは自身の思い違いを感じた。
「――――……いいよ。雄英でなくたって……」
「出久……?」
「緑谷ガール……」
出久はなにかの覚悟を決めたような顔になっていた。
「お母さん、聞いて……神野区でね、僕はたくさんの感謝の言葉を貰ったんだ……確かに僕を中傷する人もいるだろうけど、そんな事はもう覚悟の内だよ。ヒーロー社会に出るっていうのはそういう事なんだって直に思い知った……そして神野区では確かに僕も少しでもヒーローになれていたんだって……」
「出久……」
「だから、雄英でなくたっていい。僕は、どこででもヒーローの道を進み続けるから」
「(そうか……。君はもう―――……)」
オールマイトは一度立ち上がった。
そしてもうなるのも辛いであろうマッスルフォームになりながらも、その場で土下座をしていた。
「……順序が間違っていたことをまことに申し訳ありません。私は、緑谷ガールが私の後継にふさわしいと……すなわち、平和の象徴になるべき人間だと思っております」
「えっ……なっ!? ちょ、やめてください! なんですか!?」
「平和の象徴……だったものとしての謝罪です。彼女の憧れに甘えて教育を怠ってきた事を謝罪いたします!」
そしてボンッ!という音とともにオールマイトはトゥルーフォームに戻ってしまう。
それでも言葉を続ける。
「そして、雄英教師としての懇願です。確かに私の道は血生臭いものでした。否定はしません。
だからこそ彼女に同じ道を歩ませぬように、横に立ち、もう二度と今回のようなことが起こらないように守り、共に歩んでいきたいと考えています」
「オールマイト……」
「『今の雄英』に不安を抱かれるのは仕方のない事です。私もお母さんの言い分は正しいと思っていますから。
しかし、雄英ヒーロー達もこのままではいけないと……変わろうとして努力しています。
どうか、『今の』雄英ではなく、『これから』の雄英に目を向けて頂けないでしょうか!!」
そして一回息継ぎをして、
「出久少女に私のすべてを注がせてもらえないでしょうか!! この命に代えても守り育てます!!」
そこまでオールマイトが言い切った瞬間、引子は足に力が抜けたのか座り込む。
出久は慌てて支えるが、少しして、
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