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ある晴れた日に
205部分:思いも寄らぬこの喜びその五
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思いも寄らぬこの喜びその五

「そうじゃなくてね。騒がしい集団っていうのが」
「それだけは許せないんだ」
「そういうこと」
 咲は今度は桐生に対して言葉を返した。
「未晴のことはいいわ」
「どっちかっていうとそっちの方がおたく等にきついこと言ってたけれどな」
 正道はそう考えていた。言った本人としては。
「そっちは全然いいっていうのはな」
「だって事実だし」
 咲は言葉を返す。
「咲達やっぱり未晴がいてだから」
「自覚してるんだな」
「ええ。幼稚園の頃から六人一緒だし」
「幼稚園からかよ」
 尋常ではないつながりである。小学校からというのも高校では少なくなるが幼稚園からというのはそれ以上に少なくなってしまうものである。
「竹林に頼りきりだったのかよ」
「そんなんじゃ駄目だけれどね」
 このことも自覚している咲だった。
「けれど。どうしても」
「竹林さん優しいしね」
 桐生が微笑んで咲に告げた。
「だからってことだよね」
「ええ」
 桐生のその言葉に頷いた。
「そうなの。甘えるのは駄目だけれど」
「そうなんだ」
「今もね」
 咲もまた明日夢と凛のところに行く未晴を見ていた。
「やっぱり未晴がね」
「頼りになるか」
「ええ。少年も凛もガチガチじゃない」
「ああ」
 正道は余計なことは言わず今の彼女の言葉に頷いた。
「そういった時って。幼稚園の時から結構あったのよ」
「あれだよな。テストとか受験とかそういう時だよな」
「そういう時にいつも未晴がいてくれて」
 話す咲の目が暖かいものになっていた。
「気持ちほぐしてもらってきたのよ」
「あっ、見て」
 ここで桐生は未晴達を見るように告げた。
「何処かに行くよ」
「お茶飲みに行くのよ」
「お茶!?」
「リラックスするにはお茶が一番じゃない」
 笑いながら二人に言ってきた。
「お茶じゃなくてもコーヒーでもココアでもいいけれど」
「何か飲むってわけかよ」
「飲むか食べるか」
 咲はこうも言う。
「どっちでもいいし両方でもいいけれどね」
「酒もかよ」
「学校でお酒はまずいでしょ」
 すぐに正道に言い返した。
「それは流石にね」
「まあそれだけはな」
 正道もこれは常識としてわかっていた。
「まずいよな、やっぱり」
「リラックスするには一番なのは確かだけれどね」
「そうだよな。しかし柳本よ」
 正道は今度は未晴自身に声をかけてきた。
「御前お菓子だけでなく酒も好きだよな」
「それがどうかしたの?」
「太るぞ」
 よりによって言うことはこれだった。
「下手したら。太るぞ」
「それはわかってるわよ」
 咲もむっとした顔で彼に言葉を返した。
「これでも結構気を使ってるのよ」
「わかってるのか
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