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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第115話:RUIN STAGE U
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きのめされたシグマからすれば忌々しい存在であるルインの声に天井を見上げる。
『貴様は私がシグマウィルスのデータを復元して特別に復活させてやった。私の分身であるオメガの強化修復のために代わりにエックスとゼロと戦え。』
「き、貴様の分身の強化修復のために戦えだと!?こ、この私が貴様の一部の前座となれと言うのか!?」
オメガの代わりに、つまりシグマはオメガの強化修復が終わるまでの時間稼ぎ役であることを言うも同然のことを言われたシグマは激昂する。
『…まあ、身も蓋もない言い方をすればそうなるな。まあ、貴様みたいなエックスやゼロ、私の劣化コピーには相応しい役だろう?エックスのようになれず、ゼロや私のようにもなれない貴様にはな』
「わ、私が…この私が貴様らの劣化コピーだと…!?調子に乗るな小娘えっ!!」
劣化コピーと蔑まれたシグマは怒りに表情を歪ませながら叫んだ。
『……シグマ』
先程まで感じさせた感情が一切消え失せ、冷徹な声が響いたかと思えば突如シグマは胸を押さえて苦しみ始めた。
「ぐがあああああ!!!」
『調子に乗っているのは貴様じゃないかシグマ?シグマウィルスは依然として私が支配権を握っている。つまり貴様の生殺与奪権は私が握っているんだ。その気になれば貴様など一瞬で葬ることが出来るのだぞ?今の貴様は私の力で生かされている人形に過ぎんのだ』
「ぬ…ぐぐぐ…」
激痛が失せるとシグマは悔しげに天井を睨んだ。
『それにシグマ。これは私からの貴様への温情でもある。幾度も煮え湯を飲まされてきた相手だ。雪辱を晴らす機会を誰よりも欲しているだろう?そしてもし万が一お前がエックス達を倒せたら私への復讐のチャンスを与えよう。あそこまで完膚なきまでに叩きのめされ、今では私の人形に堕ちたんだ。私に対して相当鬱憤が溜まっているはずだが?』
「…………」
それに関してはシグマも一切の反論が出来ない。
最初の反乱を除けばエックス達への復讐もシグマの目的の一部となっていた。
それにルインに対する鬱憤も相当の物なのだから。
『まあ、精々頑張ることだな。一応言っておくが…あの爺が貴様に与えたガンマ…ファイナルシグマWの力は削除している』
「なっ!?」
切り札であるファイナルシグマWを削除されたことにシグマは目を見開く。
『………たまにはウィルスや他者の力に縋らず、自分だけの力でエックス達と最後まで戦え……!!』
凄まじい威圧感を孕んだ声に流石のシグマも反論を封殺されてしまう。
今まで数多くのレプリロイドを利用してきたシグマが今は逆にルインに利用されている。
しばらくしてルインの気配が消え、エックスは複雑そうにゼロは嘲笑を浮かべながらシグマを見据えた。
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