ターン8 最速加速の大怪風
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は、それをいくつも束ねることで彼1人程度の体重であれば十分空中に留まっていられるだけの浮力を生み出す。
となると当然次に生ずるであろう疑問は、なぜその風船を生み出すカードが発動されたのかということになる。その答えを説明すべく彼は手にした風船をぱっと手放し、猫のように空中で一回転することでバランスを取りつつ着地する。
「『それでは皆様、そろそろ何が起きたのかの説明に移らせていただきましょう。私の場に伏せられ、チェーン2の大刃禍是によってバウンスされそうになった2枚の伏せカード。私はそれに合わせてさらにチェーン3、そのうち1枚を発動したのです。その名はトラップカード、メタバース!このカードは発動時にデッキからフィールド魔法1枚を選択し、手札に加えるか場に直接発動することが可能となります。となれば、もうお分かりですね?先ほども皆様を幻想の世界に招待した魔界劇団の本拠地、魔界劇場「ファンタスティックシアター」。そのカードを発動したのです!』」
そう言い切ると同時にポーズをとった彼をめがけてファンタスティックシアターの小道具であるスポットライトに光が灯り、同じく小道具である無数のクラッカーが小気味いい音と共にカラフルな紙吹雪を放つ。
「『もうお分かりですね?確かに私のフィールドに今、ペンデュラム召喚された魔界劇団であるビッグ・スターはおりません。ですがファンタスティックシアターの発動時はまだチャンピオンの操る独眼群主の効果適用前であり、確かに魔王はそこにおりました。つまりファンタスティックシアターの効果は有効となり、大刃禍是の効果は「相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を選択して破壊する」と書き換えられたのです!』」
「書き換え……!」
「『そう。一見あっさりとあやかしの長の手によって敗北したかに思われた大魔王ビッグ・スターでしたが、実はそれすらも彼の大いなる計画の一部だったのです。彼がその身を犠牲にしてまでも、現世へと遺した1冊の本。それはすなわち、復活の秘術。1度は舞台を降りたかに見えたビッグ・スターが、さらなる仲間を得て再び表舞台へと駆け上がるための奥の手中の奥の手。大刃禍是の効果によって破壊されたことで、その本に込められた魔力の全てが解放されようとしております』」
ビッグ・スターの消え去った鳥居のフィールドにポツンと残された、1冊の魔界台本。風になびかれてそのページが猛スピードでめくられていき、やがて中心付近でひとりでに止まる。ページ内部に見開きでびっしりと書き込まれた文字が光を放ち、フィールドを覆いつくすほどのスモークが沸き上がる。
「『その本の名は……魔界台本「魔界の宴聡浴v!先ほどの第二幕でも大きな役割を果たしたこの演目は、この最終幕でも大きな役割を果たすこととなるでしょう。さあ、魔界の宴聡翌フ効果を発
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