ターン8 最速加速の大怪風
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たとえ何ターン繰り返そうとも失敗するわけがない。しかしそれでも、場の空気に飲まれていた客席からはパラパラと拍手が起きてしまう。それはまさしく場の空気を鳥居が握っていることの何よりの証拠であり、幼いころからそれを飯の種にしてきた彼にとっては面目躍如の瞬間であった。
魔界劇団−デビル・ヒール スケール1→9
「『さあさあそれでは皆様がた、これにて長らくの下準備は終了と相成ります。ただいま私の場に並べられしスケールは2と9、よってレベル3から8の魔界劇団を召喚可能。今こそ満を持して舞台へと現れよ、栄光ある座長にして永遠の花形!ペンデュラム召喚、魔界劇団−ビッグ・スター!』」
魔界劇団−ビッグ・スター 攻2500
そして彼の場に呼び出される、魔界劇団の中核にしてその花形。三角帽子を持ち上げて深々と一礼し、再び深々とかぶり直したところで鳥居の指示が飛ぶ。
「『それでは早速挨拶代わりに、ビッグ・スターによる今宵の演目を発表いたしましょう。1ターンに1度デッキから魔界台本1冊を選択し、私のフィールドにセットします。最初の一幕はこちら、安定と安心のレギュラー公演。魔界台本「魔王の降臨」!今回は最終決戦ということもあり、我々としても大盤振る舞いの出し惜しみなしで参りましょう。魔王の降臨を発動!さあプロローグからいきなり舞台を支配する、恐ろしき魔王が登場いたしました!攻撃表示の魔界劇団は魔王ビッグ・スター1体のみ、よって1枚のカードを破壊いたします。私が選択するのは、レフトPゾーンに存在するワイルド・ホープ!』」
漆黒のマントを羽織ったビッグ・スターがおもむろに大ジャンプし、光の柱のうち片方の中央にきりもみ回転からの恐るべき鋭角飛び蹴りを敢行する。たやすく砕け散った光の破片はフィールド中に降り注ぎ、まるで無数の蛍が飛び回るかのような幻想的な光景を作り出す。
「うわあ……」
「きれい……」
客席からの呟きを鋭く聞きつけ、すぐさま予定を変更して少しの間だけ口を閉じて光が舞うに任せる。静寂が包むフィールドをキラキラとした光が彩るさまをたっぷりと客席に堪能させたのち、ようやく次の段階に進む。
「『そしてたった今破壊されましたワイルド・ホープ、そのモンスター効果を発動。このカードが破壊されたその瞬間、私はデッキから別の団員1体を手札に加えることが可能となるのです。舞台袖にてスタンバイする次なる魔界劇団の演者は、路傍に佇む要石。魔界劇団−エキストラをサーチ!さらにカードを2枚伏せ、これにてターンエンドでございます。さあチャンピオン、お手並み拝見と参りましょう』」
魔界劇団−デビル・ヒール スケール9→1
お世辞にも固い布陣とは言えないが、それでも胸を張ってターンを終える。先ほどの青木戦の裏で行われていたロベル
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