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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン8 最速加速の大怪風
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「今回は俺の負けだ。この男に、もう1度祝福を!」

 チャンピオン直々の言葉に、より一層の拍手が巻き起こる。ふと最後の攻防についてどうしても聞きたくなり、他人に気取られないように小さく問いかける。

「そういや最後、どうして大幽谷響の効果を使ったんです?」

 例え大幽谷響と左鎌神柱のコンボで持ちこたえたとしても、魔界劇団の一斉攻撃を受けきれるほどではない。それは、ロベルト自身もよく分かっていたはずだ。にもかかわらず、彼は最後まで粘ろうとした。その理由を問おうとしたのだ……しかし、答えは鳥居にもすでに予想がついていた。それは質問というよりも、確認としての意味合いが強い。
 そして案の定、ロベルトはさも当然のことのような口ぶりで予想通りの答えを返す。それは鳥居好みの返答であり、そして彼の女上司もそう答えただろうことは容易に想像がついた。その部分において馬が合うからこそ、彼は口ではさんざん言いつつも彼女の部下としての地位に居座っているのだから。

「お前も知っているはずだ。最後の最後まで戦う、それがエンターテインメントだ」
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