ターン8 最速加速の大怪風
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スピーカーの流す言葉に、会場が歓声をもって応える。さっさと始めろ、という言葉の裏に込められた若干の非難に同時に苦笑しながらも、先手を取った鳥居がアクロバットにバク宙を決めつつロベルトから距離をとる。2度3度と回転して再び着地した時には、すでに彼も演者の顔に戻っていた。
「『それではお待たせいたしました、レディース・アーンド・ジェントルメン!魔界劇場は最終公演、いよいよ開演のブザーと参りましょう!』」
先攻はチャレンジャーたる彼のもの、手札誘発でも飛んでこない限りは落ち着いて布陣を固めることができる。そして幸いにも、彼の手札は今回かなり初手向きのものだった。それを確認し、大きく息を吸う。
「『それでは私のフィールドに、此度の演者をお呼びいたしましょう。ライトPゾーンにスケール1、怪力無双の剛腕の持ち主!魔界劇団−デビル・ヒールを。そして対となるレフトPゾーンには同じくスケール2、数字を操る凄腕のガンマン。魔界劇団−ワイルド・ホープをセッティング!』」
両手を大きく広げた彼の両端に光の柱が昇り、そのうち片方では1と書かれた光の数字の上でボディービルめいて筋肉を強調する巨漢が、そしてもう片方では数字の2の上で素早い動きのガンスピンをこなす西部劇から飛び出たようなガンマンが浮かび上がる。ここまで終えたところでさっと客席全体を見渡し、オーバーに肩をすくめてみせる。
「『おやおや、これはどうしたことでしょう。私の設置したペンデュラムスケールは1と2、このままではどのレベルのモンスターも呼び出すことができませんね。ですがご安心ください、こちらにセッティングされましたるワイルド・ホープはモンスターとして、そしてスケールとして。あらゆる場所において自在に数字を操る、魔法の弾丸を撃ち放つ銃の持ち主なのです。ワイルド・ホープのペンデュラム効果の名は、チェンジスケール・バレット。対となるPゾーンに魔界劇団が存在するときにのみ装填可能となるこの弾丸は、そのスケールのみを正確に撃ち抜くことで止まった振り子を大きく揺らし、その数字を1ターンの間のみ9へと変化させるのです。さあ1発のみのショータイム、見事デビル・ヒールの掲げる1を打ち抜きましたらばご喝采。チェンジスケール・バレット!』」
口上が終わるのを狙いすましたタイミングで、弾丸の音が会場に響いた。全くのノーモーションから目にも止まらぬ動きで早撃ちを仕掛けたワイルド・ホープが、デビル・ヒールの足元で光る1の数字を正確に打ち抜いたのだ。そしていまだ硝煙立ち上る銃を再びガンスピンしたのちホルスターに収めた瞬間とほぼ同時に、弾痕穿たれたその数字が9へと変化する。
少しでも冷静に考えればこれはギャンブル要素も含まれないただの効果の発動であって、何らかの妨害がなければ
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