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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と最終章:さらに向こうへ
NO.110 救い上げる思い
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来てくれたの?」
「うっす……それで、その……出久は今どうしていますか……?」
「…………」
「……?」

一瞬引子は驚いた顔になる。
爆豪もそれを感じたのか首を傾げそうになるが、それは仕方がない事である。
引子も昔から爆豪に出久は『デク』と呼ばれている事を知っていたためにあまり快くは思っていなかった。
だけど今爆豪はデクとは呼ばずに『出久』と本名を口をしたのだ。
これだけで学校生活の間に自分の預かり知らないところで二人の間でなにかがあったのは明白だと想像するに難しくない。

「と、とりあえず中に入って。でもなるべく静かにね。今出久はかなり落ち込んでいて部屋から出てきてくれないのよ」
「やっぱり、か……わかりました」

それで居間に通される爆豪であったが、道中に出久の部屋があるためについ扉を見てしまう。
しかし、今は気軽に触れ合えるものではない事は分かっているので悔しい思いをしながらも居間まで無言で歩いていく。


そして居間に入って椅子に座らせられた後に引子はお茶を爆豪に淹れて出しながらも、

「こんな大変な時によく来てくれたわね。でも、ごめんねぇ。出久、帰ってきてから殆ど食事を食べていなくて……」
「そうっすか……」

無理もないと爆豪は思う。
もし、自分が出久と同じ立場だったなら我慢して無理してでも立ち直っていただろうが、出久の性格は言っては悪いが弱気で臆病だ。
最近は強気な面を見る事が多かったが、それでももともとの気質は変わるわけではない。
だからオールマイトの引退も含めて重圧に押しつぶされてしまうのも分からない事ではない。
だから無性にあの時気絶してしまっていて出久を守れなかった自分が情けなく思ってしまうのもしょうがないことではある。

「爆豪くんも出久を励ましに来てくれたんだと思うけど、今はあまり出久には触れないで上げてほしいのよ。今はただ立ち直れるだけの時間が欲しいから……」
「でも! それじゃいつになるか……」

爆豪はそれで焦った。
それはというと雄英高校からの連絡で家庭訪問があるという話を聞いたからだ。
ありえない事だとは思うが、もし相澤が今の出久を見て非情な判断を下してしまったら出久は雄英にいられなくなるかもしれない……。
それは爆豪にとってももう他人事ではない。
むしろクラスの連中はこぞって猛抗議をするだろう。

「家庭訪問もあるし……」
「そうなのよ……。それまでにできれば出久には立ち直ってほしいけど……難しい問題なのよ。なんせ理由が出久の憧れであるオールマイトの引退を直接的ではないとはいえ関係してくる事だから」
「ですよね……でも、自分は出久には早く立ち直ってほしいです。過去にひどい事をいっぱいしていた自分が言えた口じゃないですが、それでも自分は出久に
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