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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第29話 新年魔法大会 【ショットダウン 其の五】
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法を忠実に再現する方法が一つだけある。それは、イメージの力が強い者しか出来ない方法。

琴葉が放った水の魔法の少しを異空間に転送する事で、ずっと溜めてきたモノを一気に召喚する。その量は、先程汐梨ちゃんが出した水の量を遥かに超えている。
それに琴葉ちゃんの最大限の力を込めるために、一点に凝縮。反発する力を糸で抑え込みつつ、残りの一枠で自分の力を全て水の魔法に込める。琴葉ちゃんの手加減無しの魔法をイメージしながら。
段々とその水は黒くなっていき、最終的に漆黒の球体と化す。これが、琴葉ちゃんの手加減無しの水魔法“黒波乱舞(ネグロオラバイラル)”。漆黒の波が龍の形を取って乱れ舞う魔法。

「これで???終わりだッ????」

一気に水を解放。すると、水は龍の形を取って、真冬くんに襲い掛かる。勿論、真冬くんは龍に抵抗も出来ず、呆気なく飲み込まれる。フィールドの炎も全て飲み込まれ、煙が立ち上る。
龍はそのまま他の副主任を飲み込み、そのままコトハチャンの方へ。コトハチャンは咄嗟に防御の為に炎の盾を作るが、盾ごと龍に飲み込まれる。

魔法を切ると、龍は四散し、空から気を失った副主任達と、コトハチャンが降って来る。それを糸で受け止めて、地面に下ろしてから、僕はコトハチャンの前に立つ。そして、ゆっくりと糸で拘束し、そのまま締め付ける。グッと力を込めると、糸がその体を粉々にした。

「???試合終了ッ??」

琴葉が高らかとそう叫ぶと、映像越しに僕達の戦いを見ていた客達が、おぉぉぉおおお??と歓声を上げる。

……嬉しいんだけど、もう無理かなぁ。

視界が暗転し、重心が前に傾く。力の出し過ぎで、もう立っても居られない。
このまま硬いフィールドに頭ぶつけて意識とサヨナラするんだなぁと思っていたが、その前にふわりと良い香りがして、柔らかい感触があった。いつまで経っても頭が痛くならない。

「……お疲れ様、要。よく頑張ったね」

嗚呼、この声は。
不意に頭を撫でる様な感覚がして、気持ち良さにそのまま声の主に体を預ける。

「ご褒美ね」

?に柔らかい感触。

そのあと、僕は意識を手放した。

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