外伝〜灰色の騎士と盤上の指し手の覚悟〜 後篇
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述べるとミュゼが意味ありげな笑みを浮かべてリィンと腕を組んで10代でありながらも大きい部類に入る自身の胸を押し付けて妖艶な笑みを浮かべてリィンを見つめ、その様子を見たセレーネ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「だ、だから大人をからかうんじゃないって言っているだろう!?それもエリゼ達の目の前で!第一その件に関しては俺は今ここで初めて知った上、そもそもどんな”説得”をするつもりだ…………!?」
「うふふ、その件に関しては当事者同士の話だから、二人はもう戻っていいわよ―――という訳でベルフェゴールお姉さん、後はお願いね♪」
「はいは〜い♪じゃ、ご主人様も今の内に覚悟を決めておきなさい♪」
「ベルフェゴール!?覚悟って一体何の―――」
そしてレンがベルフェゴールの名を口にするとアルフィンの身体から現れたベルフェゴールがリィンの指摘に何も答えず問答無用で転移魔術を発動してリィンとミュゼと共にその場から消え、その様子を見守っていたセレーネ達は冷や汗をかいた。
「もう、あの娘ったら…………前から容量のいい娘だとは思っていたけど、まさか自分の恋すらも容量良く進めるなんて…………よくエリゼはあの娘を加える事を許したわよね?」
「…………兄様と結ばれる事で発生する様々な”利”が目当てとはいえ、ミュゼさんの兄様に対する想いや覚悟は本物のようだし、何よりも今回の件のように政治上の”駆け引き”を得意とする彼女自身兄様や私達にとって必要な存在だから許したのよ。」
「アハハ…………エリゼお姉様をも納得させる程の交渉力があるのは、さすがはユーディット皇妃陛下達の従妹と言うべきなのでしょうかね…………?―――あら?アルティナさん、どうかなされたのですか?」
呆れた表情で溜息を吐いたアルフィンの問いかけに静かな表情で答えたエリゼの答えに苦笑したセレーネだったが、複雑そうな表情で顔を俯かせて両手で胸を抑えているアルティナに気づき、声をかけた。
「いえ…………ベルフェゴール様やミュゼさんの口ぶりからこの後リィン教官とミュゼさんは”どうなるか”察してはいるのですが…………何故か、その事を考えると胸に痛みを感じるのです…………わたしはどこかおかしくなったのでしょうか…………?」
「アルティナさん…………」
「あら♪」
「…………ハア…………予想はしていましたが、やはりアルティナさんもいずれ、”そうなるのでしょう”ね…………」
複雑そうな表情で語ったアルティナ自身の心境を知り、アルティナに何の感情が芽生えているのかを察していたアルフィンは驚き、レンはからかいの表情を浮かべ、エリゼは疲れた表情で溜息を吐いた。
「…………大丈夫。アルが今感じている感情は人なら誰でも芽生える感情だし、アルの悩みもいつか必ず良い結果という形で解
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