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ヒュアデスの銀狼
SS10  ネタバラシ
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…!?」
「ここまでネタばらししたのに、思い出さないなんて…、可哀想なオオカミさん。」
 カンナが可哀想だと顔を悲しそうに歪め、カズの頭を撫でた。
「サキぃぃぃいいいい!! ジュウべえ! サキのソウルジェムを浄化しろ!!」
『無理だ! もう手遅れだ!』
 みらいが雷撃の中に飛び込んでサキに抱きつき叫ぶ。だがジュウべえは、もう手遅れだと言った。
「悪い子は…、オオカミに食べられちゃうんだよ? さあ、カズ。メインディッシュだよ。」
『ああ…。』
「やめて、やめて!!」
 かずみがカズの足の下で叫ぶ。
「ねえ、どういうことなの!? どうしてカズがオオカミなの!? 私と、カズは…。」
「そうだったね。かずみには説明しないといけなかった。簡単なことだよ。カズは、『かずみ』の失敗作。それも数にすら入れて貰えなかった、突然変異で性別転換したミチルのクローンだよ。」
「!?」
「あ…。」
「そんな…ことって…。」
 かずみは驚愕し、海香とカオルがようやく思い出したのか、言葉を失い青ざめた。
「だから顔が似てて当たり前。偶然にも生まれながらに身についていた能力『超再生力』で、カズは、アイツらに殺されたけど生き返ったんだよ。この能力は、血の一滴からでも復活できる。」
『痛かったよ…。苦しかったよ………………。何より…、オレは、悲しかった…!!』
「“かずみ”にすらなれず、女ですらなかったカズを……、プレイアデス聖団は、真っ先に殺した。」
「…嘘だよね?」
 かずみが海香達の方を見て恐る恐る聞いた。
 海香とカオルは、俯き、あるいは顔を逸らし、何も答えられなかった。それが答えだ。
「かずみは、死の数字、13番目じゃなかったんだよ。本当は、14人目。まさかここまでスッキリとカズのことを忘れてるなんてね……。ほんと、憎しみを通り越して呆れた。」
「おまえ…、ニコじゃないな…?」
「そうだよ。私は、聖カンナ。かつてニコが捨てた名前を持つ、かずみと同じ、合成魔法少女さ。」
 カンナがカズの背中の上で魔法少女としての姿に変身した。それは、ニコとはまったく格好だった。
 カンナが語り出す、ニコがかつて起こしてしまった事故とも言える死傷事件のこと。
 そして、なぜ復讐すると決めたのかも。

「私達はね。本物になりたいの。」

 やがて、サキが力尽き、電撃が消えて、ソウルジェムから魔女・サキが現れた。

「だから、カズを拾った。あんた達が酷たらしく殺して捨てたオオカミを。あんた達の仲間にもトモダチにもしてもらえず、ミチルの失敗作の(カズ)にすら入れてもらえなかった、可哀想な、私のオオカミさん。」

 魔女・サキが、口を開けて、サキの遺体を抱いていたみらいを、喰った
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