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ヒュアデスの銀狼
SS10  ネタバラシ
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間が歪み出す。

「は、早く…私を殺せえええええええええええええええええ!!」

 かずみがレイトウコの魔方陣に置かれたイーブルナッツを掴んで口に入れてかみ砕いた。

『そこまでして、オレを否定するか!! プレイアデス聖団めえええええええええええええ!!』

 空間に空いた、穴からオオカミの魔獣の前足が飛び出し、魔女の姿になっているかずみを踏みつけ、床に伏せさせた。
「あれは…、オオカミの魔獣!?」
「どうして、ここに!?」
『ぐうううう!』
「かずみ!」
 自信を踏みつけるオオカミの魔獣の前足から逃げだそうとかずみが暴れる。だが、オオカミの魔獣の爪が伸び、まるで檻のようにかずみを閉じ込めた。
「まさか、オオカミは、かずみを守ろうと?」
「いや違う…。」
 海香の疑問に、ニコに扮しているカンナが否定した。

『こんなにも、愛されているのになぜ死を選ぶ!? かずみ!』

『わ、私は…。」
 かずみの姿がやがて魔女から人の姿へと変わった。だが体に浮かんだ痣はそのままだ。
「あなたは…なんなの?」
 かずみが弱々しくオオカミの魔獣に問うた。
 オオカミの魔獣は、少し黙り、やがて体全体を空間から出して、顔だけをユラリと変化させた。
「ひっ!?」
 サキが思わず短い悲鳴を上げた。

『思い出したか?』

「………………カズ…?」
 かずみが、信じられない目で爪の間から顔を出して見上げていた。
「うぅう…!?」
 サキが呻いた。彼女の手からソウルジェムが浮く、パキパキと表面が割れ、濁った本来の色になっていく。
「さ、サキ!?」
「…アブラカタブーラ。ほい。」
 ニコに扮しているカンナが、ガタガタと震えているサキに近寄り、ポケットからイーブルナッツを取り出し、それをサキの額に差し込んだ。
「アギッ!?」
「なっ!? ニコ!?」
「隠し味のスパイスだよ。」
 ニコに扮しているカンナがニッコリと、だが歪んだ笑みを浮かべた。
 すると、サキの体から凄まじい電撃が発生して周りにいた者達を吹っ飛ばした。
「サキ!! どうして!?」
『アイツだけは思い出したか…。』
「何言ってるんだよ!? さっきから! それにその顔…、お前なんだよ!?」
 体勢を整えたカオルが叫ぶ。
 カズは、顔をそのままの状態で表情を無にした。
 電撃に包まれたサキが、断末魔のごとき絶叫を上げる。
「うふふ…。イル・フラースで耐えてるの? 無駄なのに。でも、素敵な断末魔。」
「ニコ…、どうしてあなたがソレ(イーブルナッツ)を…。」
「簡単な話だよ。」
 ニコに扮したカンナが飛び、オオカミの魔獣…カズの背中に乗った。
「おまえ
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