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ヒュアデスの銀狼
SS10  ネタバラシ
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『それが、あなたの答え? …私のオオカミさん。』

「オレは、どこまでもカンナと共にいるよ。例え、かずみの敵になろうとも。」

『…かずみが動き出した。…アイツらのために死を望んでる。』

「どうする?」

『いよいよお披露目だよ。レイトウコの所まで来て。身を隠しておいて。』

「分かった。」

 カズは、カンナからの指示を受け、身を隠して誰にも悟られず、かずみが陣取っているレイトウコに侵入した。
 天井からかずみを観察する。
 死を決意したかずみの表情は、固い。今にも泣き出しそうにも見える。
 かずみが魔法でテレパシーを送り、残るプレイアデス聖団を呼びだした。その中には、ニコに扮しているカンナもいる。
 そして、結界と称した魔法をレイトウコに施し、そしてプレイアデス聖団に問う、なぜ自分にミチルの記憶を与えなかったのか。
 そして彼女らは答える。ミチルの記憶を与えたかずみの失敗作は、魔女との戦いになると途端に暴走したのだと。だから“14人目”のかずみには記憶を与えなかったのだと。

 同じ顔をした別人でも、自分達はミチルの死を否定したかったのだと。

 ………………なら、どうして“自分(カズ)”を否定した?

 今すぐ問いかけたかった。だがまだ動くわけにはいかない。カズは、言葉を飲み込み、様子を伺った。

 かずみは、叫ぶ。そんなの認めないと。
 そして、叫ぶ。
 約束してと、何度失敗しても辛くてもくじけないでと。
 ミチルと里美を生き返らせて、もう一度心の底から笑ってと。
 それが魔法少女システムを否定し、“13人(実際はカズを入れて14人)”の自分を生み出した、あなた達の責任だからと。

 そして。

 自分を殺してと。

 ザワリッとかずみの体中にツルのような痣が浮き上がった。
「お願い。もう時間がないの…。最後にひとつだけ…、ミチルのクローンじゃなく、ただのかずみとして出会っていても。」

 魔女の姿へと変わっていくかずみは、スマートフォンに映った、かずみとプレイアデス聖団が映った写真を見せた。

「私達は、トモダチになれたかな?」

 その写真は、みんな笑顔だ。

「当たり前だ!」
 カオルが叫んだ。
「記憶のないまっさらなかずみと出会ったあたし達はトモダチになったんだ! いままでも、これからも! ずっと仲間だ!」

「………………ありがとう。それが聞きたかっ………………。」


『ふざけるな。』


「えっ…?」


『じゃあ、オレは、なんだ?』


「かずみ! 上だ!!」

 カズは、堪えきれない激情についに声を出していた。
 それと共に天井の空
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