レーティングゲームT
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間、修行を施してくれたウィスの足元にも及ばない。
速度・膂力・その全てがウィスは理不尽なまでの強さを誇っていた。
そして、王であるリアスの指示により身体の重りを外した今の小猫は先程とは一線を画す戦闘力を誇る。
「次で決めます。覚悟してください。」
「……くッ!?」
今の子猫には相手の戦車の動きがまるで止まって見える。
その動きは余りにも緩慢で、移動速度が遅過ぎた。
当たらない。
『戦車』である雪蘭の攻撃が掠りもしない。
子猫は必要最低限の動きで、敵の攻撃を躱す。
「……ほい」
小猫は大きく一歩足を前方へと踏み出す。
拳を強く握り締め、一瞬だけ仙術の力を使用し、全身の力を満遍なく伝えた一撃を直撃させる。
ウィスとの修行でこれまで以上に体の遣い方を学び、自身の姉である黒歌には仙術の手ほどきを受けた。
今の小猫の実力は10日間まえよりも飛躍的に伸びている。
今の小猫は一時的に仙術の行使が可能だ。
まだ、姉との確執が解決したわけではない。
だが、今は過去の姉との確執よりも自分を救ってくれたリアス部長の為にこの力を遣うと決めたのだ。
今も仙術を行使することに恐怖を感じないと言えば嘘になる。
しかし、ウィスとの修行で如何に自分の力が矮小なものなのかを実感し、以前よりこの力に対する恐怖は和らいでいる。
ならば今は、この力を一時的にでも遣い、相手を殲滅することに専念する。
このレーティングゲームに勝ったらこれまでにウィスと何があったのか聞かせてもらいますからね、黒歌姉様
「か…は…!?」
先ずは急所である鳩尾
続けて、顎へと掌底を叩き込み、脳を揺らすことで脳震盪を起こし、意識を朦朧とさせる。
決して、敵である雪蘭に反撃の隙を与えない。
「止めです」
小猫は意識が朦朧とし、ふらついている雪蘭へと無数の拳の連打を打ち込む。
再び仙術の力を身体へと一瞬だけ漲らせ、全身の力を一点に集中させた必殺の拳を叩き込んだ。
その威力は凄まじく、雪蘭は体育館の壁へと激突し、大きなクレーターに沈み込む。
雪蘭の身体から粒子が溢れ、虚空へと消える。
『ライザー・フェニックス様の戦車1名、リタイア』
グレイフィアの戦況を伝える無機質なアナウンスが周囲に響き、塔城小猫が勝利を収めた。
「やったな、小猫ちゃん!」
「触らないでください、一誠先輩。」
喜びの余り一誠が小猫の肩に触れようとするも、小猫に避けられてしまう。
見れば向こうでは一誠の洋服崩壊により衣服を吹き飛ばされ、泣いているライザーの眷属達がいた。
何と酷い光景であろうか。
正に一誠の欲望が具現化
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