暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者
レーティングゲームT
[1/5]

[8]前話 [1] 最後
 VIPルームにてウィスが静かにモニターを見据える。
 その深紅の双眸が見据えるはこのレーティングゲームの行方か、それとも全くの別の何かか、それはウィスにしか知り得ない。

「……」

 想像するだけでも面白い。
 相手を格下と見下し、侮り、己の優位を疑わず、自身の勝利を確信していた者の足元が掬われる瞬間は痛快だ。

 もし仮に、リアスとその眷属達の潜在能力の高さを理解し、自身と眷属達の力を今日まで鍛え続けていれば、結果は変わっていたかもしれない。

 だが、ライザー・フェニックスは早々にリアス達に見切りを付け、己の力を過信した。
 彼は平時の無駄な思考を続け、延々と益体の無い妄想に耽るだけであった

 勝利の渇望の放棄
 思考の忘却

 即ち、それは紛れもない『慢心』に他ならない。

 しかし、これは祝うべきことでもある。
 ライザーは遂に『挫折』の何たるかを理解することになるのだから

 オカルト研究部で出会った当初から、ライザーがフェニックスの力を絶対視し、慢心していることは誰の目に見ても明らかであった。

 フェニックスの力は絶大だが、絶対ではない。 
 打倒する術など幾らでも存在する。
 リアス・グレモリーが滅びの魔力を極限にまで極めれば勝つことは不可能ではないのだ。


『それでは、レーティングゲームを始動します』


 司会進行役であるグレイフィアの声が響く。
 両陣営の眷属達が戦場へと足を運び、遂にレーティングゲームが始まった。

 そして驚くべきことに王であるリアス・グレモリーが即座に動き出し、敵陣営の王であるライザー・フェニックスの本拠へと飛翔していく。
 眷属である朱乃達は各自がリアスの指示に従い、戦場へと向かう。
  
 モニター越しにサーゼクスとグレイフィアの両名が驚愕を隠せない。
 レーティングゲームの勝敗を左右する王が敵陣営の真っ只中へと向かう、その愚行に言葉が出てこなかった。


─ レーティングゲームの序盤にてリアス・グレモリーとライザー・フェニックスが対峙する ─







▲▼▲▼







 塔城小猫 vs 雪蘭(シュエラン)

 駒王学園の体育館にてリアス・グレモリーの『兵士』の一誠と『戦車』の小猫が戦闘を繰り広げる。
 相手はライザー・フェニックスの眷属である『戦車』の雪蘭と『兵士』であるミラ、イルとネルの4人だ。

 だが、戦況は終始、一誠と小猫の2人に優位な状況で進んでいた。

 ライザー眷属である彼女達は確かに強かった。
 彼女達からは鍛錬の成果が伺え、10日前の自分達では敵わなかっことは認めよう。

 しかし、余りにもウィスが規格外過ぎた。
 修行期間である10日
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ