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ある晴れた日に
196部分:さくらんぼの二重唱その十四
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さくらんぼの二重唱その十四

「で、そこまで不機嫌にね」
「北乃らしいな」
「こっちが勝った時」
 咲は今度はその憮然としている顔の隣のプリクラを指差した。やはりそこにも明日夢と咲がいる。しかしその顔は全く違ったものになっていた。明日夢は満面の、まるで太陽のような笑みを浮かべているのだ。
「わかるわよね」
「わかりやす過ぎるだろ、これって」
 佐々も呆れた顔になっていた。
「つまりベイスターズの勝ち負けが機嫌に大きく左右されるってわけか」
「それがメニューにも出るのよ」
「あれっ、スタープラチナの料理っていつもどれも美味しいけれど」
 だがここで桐生はこう言った。
「別にそっちには影響ないじゃない」
「ああ、それは甘いから」
 奈々瀬がその桐生に突っ込みを入れた。
「それはね」
「甘いって!?」
「スタープラチナのメニューにびっくりメニューってあるじゃない」
「ああ、あれね」
 それが何なのかは桐生にもわかった。
「あのどの部屋の壁にも貼り紙してあるだれだよね」
「そう、あれよ」
 奈々瀬はまた桐生に対して言う。
「あれ三百円サービスってあるじゃない」
「うん」
「あれね。ベイスターズが負けていると凄いことになるのよ」
「凄いって!?」
「思い出しただけで胸焼けするんだけれどな」
 春華が顔を顰めさせて言ってきた。
「最初はよ。日本酒飲んでる時に善哉が出て来たんだよ」
「おい、待てよ」
 佐々はそれを聞いてすぐに顔を顰めさせた。そのうえで問うた。
「日本酒に善哉!?何だよそれ」
「それ出て来た時は目が点になったわよ」
 静華も春華と同じ顔になってしまっていた。
「もうね。普通ないでしょ」
「日本酒に小豆はないよな」
「なあ」
 野茂と坂上も顔を見合わせて言い合う。この組み合わせに関しては二人も胸焼けするものを感じていた。少なくとも食べられる組み合わせではなかった。
「日本酒の時に他にはみつ豆とか」
「それもないんじゃないの?」
 茜も呆れた顔になっていた。
「っていうか合う合わないってレベルじゃないわよ。日本酒に甘いものって」
「で、それで私達も困って」
 凛も言う。
「ビールにしたのよ。それで頼んだら」
「どうなったの?」
「パフェが出て来たのよ」
 今度は洋風であった。
「パフェ。ビールに生クリームとチョコレートまでたっぷりとつけてね」
「そこまで行くと犯罪じゃねえのか?」
 壺本は聞いているだけでもう気分を悪くさせてしまっていた。
「ビールにそれはねえだろ」
「甘いものだから。それでこっちも今度はカクテル系にしてみたけれど」
 今度は咲の言葉だった。
「甘い系統でね」
「それでどうなったの?」
「そうしたら納豆よ」
 咲は言いながら
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