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人理を守れ、エミヤさん!
今日からBOSSだよ士郎くん!
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うぞ、このクソッタレな不条理を叩き潰す為に」

 痛いほどの沈黙が横たわる。
 士郎は彼らが立ち上がるのを待った。待ち続けた。そしてどれほどそうしていたのか。やがて、カーターが言った。

「戦います」
「そうか。なら――分かっているな」
「は! 我らはこれより、貴方の指揮下に入ります! どうか我らを導いて頂きたい!」
「――は?」

 思っていたのと違う台詞に、士郎は面食らってしまった。
 カーター大尉、指揮を。そう言おうとした矢先である。愕然とする士郎は自覚していなかった。
 堂々とした振る舞い。先刻の危機を脱するに当たっての生き残る為の力。全滅必至の状況から数百人もの命を救ってのけ、彼らに戦う為の武器を授けた異能。
 非常識には非常識を。独立の為に戦ってきた彼らの知性は、士郎が思っていたよりもずっと柔軟だったのだ。必要とされる者が誰なのかを、彼らは悟っていたのである。

 士郎はそれに、遅れて気づく。兵士達の自分を見る目の輝きは、己こそを希望としているのだ。
 拒めばどうなるか、分かったものではない。もとより士官のカーターは己を力量不足と認めているし、それは他の兵士達も感じている事なのかもしれない。だが、士郎は頭痛を堪えて言う。

「……俺はお前達の軍に所属していない。余所者だぞ。そんな奴に従うって言うのか?」
「お言葉ですが、もはや我が軍はその大半が軍の形態を維持できておりません。軍ではなく、レジスタンスに近いかと。故に軍の階級よりも求められるのは、貴方のように大勢を導ける者です。貴方のように今の状況に適応し、打破出来る可能性のある方です。私達は死にたくない、死ぬにしても犬のように殺されるのは絶対に御免だ。せめて意味のある戦いで――意味を持たせてくれる方の下で戦って、死にたい」
「……」
「お引き受けください、異国の方。我らの命の恩人である貴方に、私達は希望を見たのです」

 士郎は知るべきだった。絶死の危機から脱した人々にとって、士郎のような人間がどう見えるのかを。
 時代のギャップを実感しているべきだった。この時代の軍の意識は、現代のそれよりも成熟していないのだと。
 士郎は自覚しているべきだったのだ。彼らにとって、鋼のように重い存在感を発揮する自分が――英雄に見えているのだという事を。

 それらを把握しきれずとも、士郎は断れない事を感じ取る。なんて民意だ、こんな民主主義滅んでしまえと悪態を口の中にだけ溢し、なんとなしに眼帯を撫でる。

「……分かった」

 元々人の命を背負うのには慣れていた。今回は数が多いが、なに、人理を救うという事は、過去から現在、そして未来に至る全人類を救うという事である。なら――たったの数百人如きなにするものぞ。そんなふうに強がるしかない。
 士郎は彼らの指
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