第五章
[8]前話
「そうしたことは」
「それが何よりの証拠だよ」
まさにというのだ。
「だからな」
「あの娘はですか」
「ああ、とっくにな」
それこそというのだ。
「命があるんだよ」
「僕の愛情によって」
「それがいつも注がれてきたからな」
だからだというのだ。
「もうだよ」
「そうですか」
「だからおいら達は持って来なかったんだよ」
女神の息吹、この道具をというのだ。
「そういうことなんだよ」
「もう既にあの娘に命が宿っているので」
「そうさ、じゃあな」
「これからはですね」
「ああ、あの娘とな」
「幸せにですね」
「過ごすんだな」
リサールは錬金術師に笑顔で語った、そしてだった。
カイと共に錬金術師の前を後にした、そうしてマニラを後にしようと二人で道を歩いているとその手にあるものが宿った。
それは三つの賽子だった、リサールはその賽子達を見てカイに話した。
「おいらの心に話しかけてるぜ」
「その賽子のことで」
「これは神具でな」
それでというのだ。
「白河院の賽子だっていうな」
「あの賽子の目はどうにもならないと言われた」
「日本の帝のお一人だったな」
「そうでしたね」
「その方の願いが篭ったな」
この世界では神の一柱となられているこの方のというのだ。
「賽子だよ」
「その賽子にはどんな力がありますか」
「振った目の数だけおいらは攻撃出来るそうだな」
「それは凄いですね」
「その目の数もおいらが自由に決められるって出てるぜ」
「じゃあ最高十八回攻撃ですか」
「一度の攻撃の間にな」
それが可能だというのだ。
「おいら達星の奴は動きも素早いから普通にドラゴンクラスのモンスターが相手でも十回位攻撃出来るがな」
「それが十八回となると」
「凄いな、しかも神託を適えてな」
心の言葉を聞きつつさらに言った。
「一回り強くなれたぜ」
「全体的に」
「このことも実感してるぜ、じゃあな」
「はい、神託を適えましたし」
「それじゃあな」
さらにと言うのだった。
「これからな」
「この世界を救う為に」
「行くか、分の悪い賭けでもな」
「適えるのですね」
「このことばかりは欲を出すけれどな」
この世界を救う、このことについてはというのだ。
「それでもな」
「そうされていかれますね」
「ああ、世界を救うぜ」
絶対にと言ってだった、リサールはまた一歩踏み出した。そうしてそのうえで世界を救う為に前に進むのだった。
人造生命の命 完
2019・4・17
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