全能なる神
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えを理解した。
「ははーん、分かったわよ、アキト」
クリケットさん達に空島を案内するつもりなんでしょ?
アキトの身は一つだけであり、クリケットさん達全員を抱え上げることはかなりの重労働だ。
ならばこの三丈鳥を利用し、クリケットさん達を運ぼうとアキトは考えたのだろう。
ナミは得意げにアキトの瞳を見詰め、アキトへと接近する。
対するアキトは図星だったのか、瞳を少しだけ見開き、動揺を見せた。
「優しいのね、アキト」
「……」
ナミの心からの賞賛に照れたのかアキトは頬を掻きながら、そっぽを向く。
そんなアキトの様子が可愛いと感じ、ナミは楽し気にアキトの頬をつつく。
肩越しにナミは身を乗り出し、アキトに密着する形でこの時間を誰よりも満喫していた。
「隣、座りますね、アキトさん」
そんな彼らの様子に我慢が出来ないビビがアキトの左隣へと腰を下ろす。
腕にチョッパーを抱え、肩が触れ合う近距離でビビはアキトの傍に座った。
「ここは少しばかり狭いので失礼します、アキトさん」
3人では手狭なフザの首の付け根から転がり落ちないように、ビビはアキトの左腕を自然な動作で自身の腕と組む。
何故か、不必要に身体をアキトの方へ寄せていたが
「アキトにちょっとばかしくっつき過ぎよ、ビビ」
「私は何と言われようとアキトさんから離れませんからね、ナミさん」
突如として始まったナミとビビの視線による謎の牽制が勃発する。
彼女達の間に火花が散っているように見えるのは錯覚であろうか。
アキトはナミとビビの現状に困惑することが出来ず、頭にしがみ付くチョッパーとの会話に専念するしかない。
「空が綺麗だなー、アキト」
「そうだなぁ」
チョッパーは無邪気に空の旅を楽しんでいる。
少しは此方を労って欲しい。
「今度、一緒に空の旅に行くかぁ」
「本当か!約束だぞ、アキト!」
「良いぞぉ」
本当、本当、アキトさん、嘘つかない
「私、こうやって世界を旅することに昔から憧れてたんです」
「そうなのかぁ」
「……」
ビビは王女時代から胸の内に抱き続けてきた願いが叶い、ご満悦の様子だ。
そんな中、ナミだけが状況に付いていけない。
ナミは自分一人だけが駄々をこねる子供の様に感じ、怒るに怒れなかった。
何よ、何よぅ……!
私が間違っているというの……!?
アキトも普通にビビを受け入れちゃって……!
「……」
「つーん……」
この時、ナミが出来たのはアキトの空いている右腕をビビと同じく絡めることであった。
つーんとは何ぞや、と口に出すことは勿論出来ず、アキトはナミを黙って受け入れる。
そして、フザは変わらず
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