暁 〜小説投稿サイト〜
ヒュアデスの銀狼
SS9  オオカミとかずみの決意
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
まで感じたことがない不思議な満足感に……。
「えっ? どうしたの? どこか痛いの?」
「えっ…あ…、いや、なんか…涙が…。」
 理由はよく分からない。それは、カズの素体になったミチルの肉体の記憶が反応したのか。自然と涙が流れていた。
「ほんと…美味いよ。」
「カズ…。」
 涙をボロボロと零しながらカズは、いちごのリゾットを食べた。その様子をかずみと立花が見ていた。
「…決めた。」
「えっ?」
「いや、オレの話だ。…ごちそうさま。美味かったよ。ありがとう。かずみ。」
「あっ。あの!」
「なんだ?」
「私と、カズって…、本当に、他人?」
 痛いところを突かれた。だが…。
「ああ。他人だ。」
「そう…なんだ。」
 カズは、泣きそうな顔をするかずみから顔をそらし、勘定を置いてレストランから出て行った。
 出て行ってすぐに、フードを深く被り、空間に開けた穴に姿を消した。


「カンナ…、オレは決めたよ。」
 カズは、空間の中でオオカミの魔獣へと変じる。

『オレは…、どこまでもカンナの味方でいるよ。』


 それは、カズが出した答え。
 かずみが、自ら死を選ぶように……、カズもまた決意した。



[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ