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ヒュアデスの銀狼
SS8  オオカミは、キョウダイを殺す
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一体化し、魔法少女としての形態も人間の顔も残した姿。
『イル・フラース。』
 凄まじい落雷がカズに降り注いだ。
『ラ・ベスティア。』
 更に唱えられた呪文により、かずみのピアスに似た球体の使い魔のようなモノが凄まじい数現れた。
 それは、口をバカリッと開き、噛みついてくる。
『プロルン・ガーレ。』
 触手のようにグネグネと蠢く手から、凄まじい数のミサイルが発射された。
 カズは、避けずそれらをすべて体で受け止める。

『かずみ…。』

『ころ、ス。』
 無表情だったかずみの顔が怒りに歪み、カズに殴りかかってきた。

「かずみ!」
「えっ…、あれ…、オオカミの魔獣!?」
 そこへ、サキを追ってきた残るプレイアデス聖団が駆けつけた。
『コロス、コロす…。』
 かずみは、カズの顔を殴り続けていた。しかし、カズは、微動だにせず黙ってソレを受け入れていた。
「かずみ!! 私達が分からないのか!?」
『コ…………………。カ、オ、ル?」
 すると、かずみの体が元に戻った。
 かずみが元に戻り床に倒れ込むと同時に、カズは空間に開けた穴に入った。
 かずみに駆け寄る者達、そしてニコとしてそこにいるカンナは、消えていく空間の穴を見つめていた。


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