四十匹目
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それはそれとして。公爵三家の人が物欲しそうにしてるんだよなー…。
でもここでツェツィーリア様と同じものを渡すのはまずい。
「うきゅ」
ツェツィーリア様の膝から降りる。
獣化を解除して人型になる。
「ピスト様、アンタレス様、ベテルギウス様」
「あら、どうしました狐さん?」
お三方の席の後ろへ回る。
まず硝子製のトレイを錬成。
トレイの上に先と同じものを、材質をカラーディアマンタイトからルビー、サファイア、エメラルドの三色に変えて錬成する。
色にも意味があるので本当はトパーズとかも使いたかったけど、四大宝石のうち三つを選んだ。
全て色の順列、数珠の大きさは均一だ。
「材質はルビー、サファイア、エメラルドです」
ひざまずき、トレイを捧げる。
「いいの?」
「綺麗ですね」
「ドワーフ製にも劣りませんね…」
お三方が数珠を手に取ったのでトレイをアイテムボックスに収納する。
「お近づきの印です」
礼をして獣化し、ツェツィーリア様の元へ行こうとしたら、隣のクリスティナ様に捕まってしまった。
そのまま膝の上に乗せられた。
「癒されますねぇ…」
「シラヌイ君はぁ〜クーのお気に入りですからぁ〜」
さらにその隣のトレーネ様も手を伸ばして僕をもふる。
「こゃぁ〜ん……」
お腹に手を回されてもふもふされる。
「シラヌイの弱点は耳じゃぞー」
お婆様!?
「エルフの血が流れていますからシラヌイの耳は敏感ですよ」
お母様まで!?
「それはいいことを聞きましたわ」
「ですねぇ〜」
ヤバい!
クリスティナ様の膝から飛び降り、ツェツィーリア様の椅子の下を駆けてお婆様の膝に乗る。
「きゅー! きゅー!」
前足で叩いて抗議する。
「おお、すまんすまん」
最後の一押しにエナジードレインを仕掛ける。
が、効果無し。
まぁわかってはいたよ…。
僕とお婆様じゃ太陽と地球ほど力の差があるってさ…。
side out
「お? 寝とるのかシラヌイ?」
「くぅ……」
「もう夜中ですからね」
シェルムがタマモの膝の上のシラヌイをそっと撫でた。
「あら、独り占めはよくありませんわよシェルム様、タマモ様」
アンタレス家の婦人が不満そうに言った。
「それもそうじゃの」
タマモが丸くなって眠るシラヌイを円卓に乗せた。
冬毛でもふもふのシラヌイが円卓の上でスライムのようにぐでぇっとなる。
くぅくぅと寝息を立てて体を上下させる。
暫く眺めた後、タマモがボーデンを呼んだ。
「ボー
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