風の訃報
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なリアルスプラッタ見せられたら普通の人間は落ち着いてられねって。てか、なんで『物真似人スキルニル』?」
剣たちの声がする。
「いや、ただ単に嬢ちゃん自身の魔力が相変わらず底辺ってただけなんだけどな。戦闘なんて出来るわけもなし」
「あー」
「おまけに凧フネの護衛もあるからな。そんなわけで、援軍のお鉢が俺に回ってきたわけだ」
本物じゃなかったことを喜ぶべきか、愕おどろかされたことに怒るべきか。
「なるほどねぇ。しかしそうなると、オレっちたちどうやってここから逃げるんだ?」
「ああ、それなら心配いらねえよ。そろそろ来る」
とりあえず。
「がーっ!」
「ちょ、どうした相棒!?」
がりがりがりがりと。
恥ずかしさに頭を掻かき毟むしりながら安心することにした。
「さ、サイト、ちょっと待ちたまえ!」
「血ぃ出てる、血ぃ出てるって! 落ち着けヒラガ!」
「――あ、タバサ、無事なのね……。
……後でからかってやろうかしら」
「まあ、死者が出なかったのは幸いかな。
大使の一人をこんなことで死なせてしまっては、王家の面目丸潰れだよ」
「……」
それにあわせて、皆も再起動を果たしたらしい。
ルイズだけはタバサ人形の返り血をモロに浴びたからか失神中だけど。
しかし、心配してくれるのがシェルとギーシュだけって正直、人としてどうよ?
閑話休題それはさておき。
「なぁ、デルフ。いくらか質問があるんだけどな」
「なんだい、相棒」
「とりあえずお前、確か両刃だったような気がするんだけどさ。
なんで形変わってんだ? 錆びも落ちてるし」
「あ、これか?
いや、相棒がマジギレした拍子に、なんか引き摺られてなあ。
どうもオレっち、自分に魔法掛けて姿変えてたみたいだわ」
ふむ。つまるところ。
「――忘れてたんだな?」
「うん。いやぁ、相棒。鋭いねぇ」
「気付かん方がどうかしてるだろ。ていうか、引き摺られたってなんだよ?」
「ああ、それも引き摺られた拍子に思い出した。
相棒、『神の盾ガンダールヴ』なんだよな」
「あ? ああ。それが?」
「いやぁ、懐かしいね。もう2000年も前の話になるのか」
「……なんの話だよ?」
「オレは昔、お前に握られてたぜ、『神の左手ガンダールヴ』。
いや、さっきの心の震えを感じるまで完璧に忘れてたんだがな」
「――は?」
「いいか、相棒。肝に銘じとけ。『神の盾ガンダールヴ』の強さは
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