紅の礼拝堂
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!」
「無茶言うんじゃねえ、アレで精一杯だよ!」
「ああクソ、じゃあギーシュ!」
「ぼ、ぼくかい!? ってこら、サイト、前見たまえ、前!」
「前だぁ!? ってだぁあああッ!」
ギーシュの言葉に会話を中断して振り向いてみれば、ワルドの一人が杖を構えて突っ込んできていた。
他の二人は、ニヤニヤと笑いながらその後ろの方でこっちを見てやがる。
ナメてやがんのか畜障。
いや楽になったから別にいいんだけど。
突っ込んできたワルドと鍔競り合いをしながら、気合と根性でギーシュに訊ねる。
「お前、『錬金』以外になんかできねえのかよ!」
「自慢じゃないが、出来ん!」
「ほんっっと自慢じゃねぇええええええッ!
だったらさっさと『錬金』しろ『錬金』! なんとかして手伝え!
いま後ろの二人が来たらシャレに、ってキタ――――――ッ!!」
「そんな無茶苦茶な――ぁ」
「"ぁ"って何だ、"ぁ"って!
いいから早く速くハヤくもうだ「ぁ」みぇ?」
なんか語尾が狂ったけど、何秒かの間、確実に時が止まった。
正面、超至近距離で鍔競りあってるワルドは、後ろを振り返り。
俺も、なんか聞こえた生々しい音に動きを止め。
突っ込んできていた左側のワルドは、呆然と己から見て左側を見つめて立ち止まり。
デルフは、一言呟いたっきり完黙して。
何より、その光景を作り出したギーシュ本人が、目を見開いて固まった。
俺から見て・・・・・右側から突っ込んできていたワルドは、砕けた『戦乙女ワルキューレ』の欠片から生えた・・・、数えるのもイヤになるくらいの、青銅の――そう、竹林・・に、全身をくまなくぶっ刺されて。
血やら臓物やら骨やらの類を、これでもかと辺りにぶちまけ――痕跡も残さず、ただの魔力塊と化して。
それらのブチマキものごと、この世界から消失した。
俺たちが正気に戻ったのは、それから5秒あまりが経過してからのこと。
わずか、5秒。
だが、全てを決着に導くには、それで充分だった。
あちら側で起きていた喧騒が、不意になりを潜めた数瞬。
それが訪れた一瞬の間に、キュルケは杖を振るっていた。
その先端から飛び出したものは、いつも通りの『火球ファイヤーボール』。
「またそれか! 芸がないな、君は!」
そう左側のワルドが叫び、『突風ガスト』を解き放って『火球ファイヤーボール』を押し戻す。
そして、右側のワルドが杖をかざし。
「芸が無いのは、どちらかな?――Ves
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