紅の礼拝堂
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る。
「お前は己になびかぬ、敵対する者であろうとも生かしておくのか?」
中央のワルド(本体?)が言うには、杖そのものに魔力を纏わせ尖らせる、武器強化的な魔法だそうだ。
「ああそうだよ!
テメェは、味方になるかも知れねえ奴を、恩のある奴を自分で殺すことができんのかよ!」
常に杖から魔力を放射するようなものらしいので、デルフで打ち合わせても斬ったりすることは出来ないようだ。
「そうだとも!
ああ、やはり貴様はルイズに恋していたか?
叶わぬ恋を、主人に抱いたか!」
実際、先ほどからガスガスとデルフと激しく受けたり流したり打ちかかったりしているのに、折れる気配も無ければロクにこたえた様子も無い。
「ちげえよバぁカ!」
ギーシュの『戦乙女ワルキューレ』に至ってはさらに凄まじい状態で、先ほどから両断されては錬金、両断されては錬金を繰り返して、なんともツギハギだらけな異容と成り果ててしまっている。
「どう違うというのだ!
それとも何か、ささやかな同情を恩と勘違いでもしたか!」
おまけにこちらから攻撃しようにも、こいつらは一向に隙を見せやがらねえ。
「俺がテメェを嫌いだからだよ!
だいたい、俺は、使い魔だ!
主人を助けて当然なんだろうが! 文句あっか!」
いや、一人一人には結構な隙があるんだ。
「まったく、平民の思考は理解できぬよ!」
なのに、その隙を次の一人、次の一人と波状攻撃で潰してくる。
「俺にだって貴族の考えることなんかわかんねえよバカヤロォ!」
お蔭で、ずっと守勢に回り続けなくちゃならねえ。
お前はどこのJジェッ◆Sス▼リーム■★▲ックかとツッコミたくなるぐらい鬱陶しいなこの野郎!
「ふ、平民と『ドット』にしては随分と粘るではないか。
だが、所詮しょせんはその程度。
『偏在』に手も足も出ぬようでは、伝説の名が泣くぞ?」
二人が同時に踏み込んで、杖を思いっきり振り下ろした。
隣で戦っていた『戦乙女ワルキューレ』が首を落とされ、腰を斜めに割られ、真上から降ってきた『風槌エアハンマー』に潰され、打ち砕かれる。
「ぅわっ――」
そのまま首と腰を断ち割った2本は構えたデルフを直撃し、俺の体は振り回されるようにしてギーシュの足元まで投げ飛ばされた。
「くっそ、ジリ貧じゃねえか……、おいデルフ、お前あの杖、本当に斬れねえのか?」
「無理だぜ、相棒。ありゃ、常に魔力が供給され続けてっからな。ちまちまと吸ってたんじゃ、埒があかねえよ」
「じゃあ、一気に吸えよ
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