白き空の国から
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、大事にしといた方がいいぜ」
「へ? なんか関係あんのか? それ」
デルフは少しの間沈黙してから答える。
「ある。と、思う」
「なんだよ、その中途半端な答えは」
「いやぁ、随分昔のことだかんね。
お前さんの強さに関わることだったとは思うんだけど、なんかこう、頭の隅に引っかかってて」
なんか、頼りねえ返事だなぁ……。
ってかまて、頭ってどこだ。
「柄じゃね?」
そぅなのか。
さて、そんな馬鹿話をしていると、『桟橋』からタバサが帰ってきた。
「……おはよう」
「あ、ああ。おはよう」
挨拶もそこそこに、本題に移る。
なんでも、『桟橋』の入り口に焦げた岩が大量に転がってたり、ロビーそのものがボロボロになってたり、停泊していたはずのフネが一隻なくなっていたりと、港は大騒ぎになっていたらしい。
そのフネの乗組員の死体の類は無かったらしいので、盗まれたわけではないと思っていい。
よって、ルイズたちはどうやら無事にアルビオンとやらに出港することができたようだ、とのこと。
と、そこまで普通に話していたタバサが、唐突に眉尻を少し落とした。
「――あなたさえよければ、すぐにでも後を追う」
気のせいか、声も少し揺れている気がする。
「怪我は、どう?」
ああ、と納得した。
拳を作って、『怪我なんてどうってことない、大丈夫だ』とアピールする。
なんか痛みが走ったが、我慢だ我慢。男として。
それを見たタバサは、こう続けた。
「申しわけない」
……俺、無意識の内に顔でも引きつってたんだろうか。
無念、とでも言わんばかりにタバサはしゅんとしている。
や、なんで?
「あなたに、怪我をさせてしまった。わたしが背後に気をつけていれば、こんな怪我をせず済んだ」
あ、あー。責任感じちゃってるのか。迂闊うかつ、って感じ?
「気にすんなって。いつも助けてもらってるお礼みたいなもんだし」
さらにタバサの顔がバツ悪そうに歪む。
やべぇ、外した。
「そ、そそれにほらなんだあれだそう、俺が勝手にしたことだから!
ほら、こんな怪我ぐらいどってことないって! な! だからそんな責任感じることないって!」
がすがすと怪我をぶん殴りながら、笑顔を捻り出してまくし立てる。
痛覚、ちょっと自重してろ!
「……わかった」
それで少しいつもの雰囲気に戻ったタバサは、
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