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fate/vacant zero
白き空の国から
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 まあ自分がここに寝てるんなら無事だったんだろうけど、それでも心配なものは心配なのだ。

 枕もとのデルフリンガーを、力の入りにくい両腕を駆使して引き抜いた。


 重みも正直厳しかったので、両腿ももの上に乗せて話し掛ける。



「デルフ」


「おう、おはよう相棒。手は大丈夫かね?」

「力は入りにくいけど動かないってほどじゃないな。ってそんなことはどうでもいい」


「そんなことって。自分の腕は大事じゃねえのかい?」

「いいから! あれからどうなったんだ? タバサはどこ行った? 俺が気絶してからどれぐらい経ったんだ!」


「ああもう、わかった、わかったからそんな急かすなって。
 そんな焦らんでも大丈夫でえじょうぶだよ」


 それからデルフは、あれからの事を語り始めた。

 まず、あれから半日も経っていないこと。

 タバサを狙った仮面の男は、ヴェルダンデとシェルンノスに倒されてシェルの使ってた体と同じ人形に戻されたらしいこと。



「って、なんで伝聞なんだ?」

「オレはオレで、3分ぐらいかな? 気ぃ失ってたんだよ。
 ていうか直撃したのはオレっちで、相棒はオレから通電しただけな」


 いやいやいや、二次被害でもこんななるのかよあの魔法。

 よく生きてたな俺。



 で。


 それからタバサが腕の治療をして、精神力が尽きたし俺も目が覚めなかったから一泊したこと。

 そのタバサは、今は『桟橋』に行ってるとのこと。



「そっか……。また迷惑かけちまったなぁ……」


 正直、今回はタバサの邪魔しかしてない気がして気が重い。



「なんだからしくねえなあ、相棒。
 もうちょっと前向きにいかねえと身がもたねえぜ?
 『雷撃ライトニングクラウド』を腕だけでも生身で耐え切るなんぞ腕利きの魔法使いメイジでも難しいんだし、もーちょい誇んなって」


 そんなもんなんか?



「そんなもんだよ。
 にしても相棒、なんかあの貴族に負けてから調子狂ってんね」

「ああ……、ワルドにあの時言われた通り、『どんな魔法が来るんかな?』とか、『どんな風に攻撃してくるんだ?』とかの好奇心を抑えてみてるんだけどな。
 なんか、かえって戦いにくくなった気が」


「や、そりゃそうだろ相棒。
 意識的に好奇心抑えてたら、集中力がそっちに回されんに決まってんじゃねえか」


 あ。



「それに、相棒って確か『ガンダールヴ』とかって呼ばれてなかったか?」

「え、ああ。そうだけど、突然なんだよ?」


「あの『雷撃』喰らってちょっと思い出したんだけどさ。その好奇心は
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