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fate/vacant zero
駆け抜ける街道
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ゲトゲしたなんかでっかいのが、土を跳ね飛ばして顔を出した。


 すさっ! と膝をついたギーシュが、すかさずその生き物を抱きしめた。



「ヴェルダンデ! ああ! ぼくの可愛いヴェルダンデ!」

「なにそれ?」


 その生き物は頭から尻尾の先まで、短い四肢に至るまでが綺麗に黄土色だった。


 腹側は。



 腹側の色がそんな感じなので、背中側、ハリネズミみたいに細く長く尖とがった青色の体毛が実に目立っている。



「なにそれ、などと言ってもらっては困る。大いに困る。
 ぼくの可愛い使い魔、ヴェルダンデだ」

「あんたの使い魔って、モールベアだったの?」


 モールベア?



「まあ平たく言えば、でっかいモグラよ」


 へえ、これがモグラか。

 そういえば実物を見たのってこれが始めてだな。


 モグラってこういう格好してるんだな。

 なんか熊みたいにデカいけど。面白い、かもしれん。



「そうだ。ああヴェルダンデ、きみはいつ見ても可愛いね。困ってしまうね。
 蚯蚓ワームはたくさん摂れたかい?」


 ふんふんと嬉しそうに、もーるべあ?が鼻をひくつかせている。



「そうか、そりゃよかった!」


 ギーシュはそんなモールベアにご満悦のようだ。頬ずりしている。

 なんというかその姿を見ていると、正直なんでこんなのを恨んでいたのかと、バカバカしくなってくる。



「お前、実は言うほどモテねえだろ」


 そんな風に負け惜しみみたいな台詞が飛び出してしまうくらいには。


 なんだかなぁ、ともやもやを抱えていると、ルイズが困ったようにギーシュに言った。



「そんなの、連れて行けないわよ。わたしたち、馬で行くのよ?」

「大丈夫さ。結構、地面を掘って進むのって速いんだよ?
 なあ、ヴェルダンデ」


 モールベアがうんうんと頷いている。



「そういうことじゃなくって……、あのね。
 わたしたち、これからアルビオンに行くのよ?
 地面を掘って進む生き物を連れて行くなんて、無理に決まってるじゃないの」


 ルイズがそういうと、ギーシュは大げさにのけぞった。

 擬音で言うなら、「がーん」だろう。



 ……こいつも見てておもしれえな、リアクション。ギトー先生系か。


 好奇の目でそのまま見ていたら、膝を着いてorzな体勢になった。

 まさかリアルで見れるとはおもわな……、あ、アンテナのヤツが何度かやってたの見たことあったな。



「お別れなんて、辛い、辛すぎるよ……、ヴェルダンデ……」


 モールベアが、ぽむぽむ
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