邂逅かいこうする二人
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ェルって杖なのか?」
そりゃ驚きだ。
どっからどう見ても短剣なのにな。
「杖っつーか、変換媒体だな。
俺の場合だと、鍔つばに使われてる金輪リングが基点コアにされてるんだが」
ああ、このやたら丸々しい鍔つばか。
なんかこう、腕輪にでも出来そうな。
「なるほどねぇ……。うう、もうしばらく借りてたいなぁ」
こいつ一本あれば色々試せそうなのになぁ、魔法。
「それも面白そうだが、生憎あの嬢ちゃんの護衛も俺の仕事でね。その辺は我慢してくれや」
「ちぇ。……なあデルフ、お前には杖の機能ってついてないのか?」
「あるかもしれねえ」
「ホントか!?」
そうならすっげえ嬉しいんだけど。
「ないかもしれねえ」
………………をいをい。
「どっちなんだよ?」
「わりいね、オレっちは自分でそういうの使ったことってねえのよ。
オレはあくまでもただの剣であって、戦うのはあくまでもオレを持つ使い手だからよ」
まあ、そりゃ確かに正論だ。
自発的に闘う剣って、使う側からしてみりゃさぞ鬱陶しいだろうし。
「試してみるしかねえか」
「こんだけ錆びてちゃ、その機能が残ってるかどうかもわからんけどな」
だよなぁ……。
ガックリ。
「ああ、そういや小僧」
「ん? なんだよ」
「俺、まだお前の名前しらねえんだが」
……そういや、シェルは名乗ったけど俺は名乗ってなかったな。
興味に引っぱられて、延々と話し込んでたけど。
「俺は才人。平賀才人だ」
「サイト、ね。聞かねえ響きだ」
「あ、やっぱりシェルもそう思うんか。珍しいよなあ、相棒の名前」
はあ、と一息を吐く。
いつの間にやら丸くなって眠り込んでるフレイムの頭を片手で撫で、シェルをデルフの傍らの壁に立て掛け、二振りの世間話をBGMにして目を閉じた。
……今日は、本当にいろいろなことがあった。
朝方、フーケを追って森の廃屋へ向かい。
昼、土人形ゴーレムと対峙し。
魔法をこの身で扱い。
フーケの正体を暴き。
オスマン老に感謝され。
夜、舞踏会でタバサやキュルケと踊って。
何故かルイズに閉め出され。
シェルやデルフに訊きたいことを訊いて。
そういえばまだ何か尋ね忘れていることがあった気がするんだが……もう、流石に疲れた。
かなり眠い。
フレイムもいる
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