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fate/vacant zero
邂逅かいこうする二人
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から抜き、デルフを壁に立て掛けて再び尋ねる。



「次の質問なんだが」

「おう」


「昼間、お前の言うとおりに叫んだら、なんか妙な歪みが飛んでったり火の粉が出たり埃ほこりだらけになったりしたけどさ。
 あれって、魔法だよな?」


「そうだぜ」



 あ、やっぱりか。



「でもさ、魔法って貴族にしか使えないんじゃなかったか?」


「いいや、そうじゃねえよ。
 っていうか、その理屈だったらこの世に魔法使いメイジの盗賊や傭兵なんざ存在できねえじゃねえか」



 あ、そうか。


「貴族ってのは、ブリミルの時代に系統魔法を使うことが出来た連中の子孫が名乗る称号なんだよ。
 細かく厳密に言えばもうちょい色々あんだがな」



 そういやルイズが前になんか言ってたような気がするな。

 貴族の中には勘当されたり家を捨てたりスピンアウトした連中もいる、とか。



「いいか? 系統魔法を使える条件ってのはな、意思の強さだ。
 自分の中に潜む意思を燃やして力に変える連中のことを、魔法使いメイジっつーんだよ。
 んでもって、杖は意思を力に変換するための媒介なわけだ」


 自分の中に潜む意思?


「えーと……、つまり、想像力旺盛なヤツほどすげえ魔法使いメイジなのか?」


 これだと、強くなれば強くなるほど人格に問題が出そうな気もするが。



「ちょっとちげえな。
 憎しみ、悦たのしみ、愛しさ、哀しさ、まあその他諸々あるにはあるが、ああいう心に響く感情の類が魔法を使うための力、精神力なんだ。

 人によって内訳うちわけは多少変わったりするけどな」


 へぇ。



「で、呪文はその力に方向性を持たせるためのもんで、言ってみりゃ自己暗示だな。
 想像力は、これを唱える時に使う。

 "自分の唱える呪文では、こういうことが出来る"。

 その内容を明確にイメージできていれば、杖で変換された想いはそのイメージどおりに、世界を導く」



「なんってか……、すげえんだな、人の想いイメージって」

「つーても、世界を従わせる範囲を広げれば広げるほど、精神力はより大量に消耗されちまうんだけどな」

「だろうなぁ」


 ゲームなんかでよくあるパターン、っちゃパターンか。


 世界は、イメージで出来ている。

 ってか?



「まあそういうわけで、"こうしたい"と強く明確にイメージできるヤツなんかは、たとえそれが平民でも、杖さえあれば強い魔法使いメイジになれる要素はあるんだ」


 なるほどねぇ。杖さえあれば、か。



「って、俺は杖なんか持って「俺」……あ、シ
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