森に響く凱歌
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放り投げておく。
その際、「いてっ」と声がした気がするけど……、まあ、気のせいにしとけ。
「どうして!?」
「そうね、ちゃんと説明しなくちゃ死にきれないでしょうから……、いいわ、説明してあげる」
ルイズの叫びに、にたりと妖艶な笑みを浮かべるフーケ。
説明してくれるんならありがたいね。
状況を整理しようか。
「わたしね、この『破壊の杖』を奪ったまではよかったんだけど、使い方が分からなかったのよ」
「使い方?」
「ええ。振っても、魔法を掛けても、この杖はうんともすんとも言わなかったもの。
困ってたのよ。持ってても使い方がわからないんじゃ、宝の持ち腐れでしょう?」
ああ、それでか。
そりゃ、こんなもんはこっちの世界に転がってるようなもんじゃないだろうしな。
ていうか、俺でもルーンが無かったら使えなかったぞ、これ。
そう考えながら、飛び出そうとしたルイズの肩を引っつかんで引き止める。
「サイト!」
「言わせてやれ」
ていうか、今動かれちゃ困る。
誤魔化せなくなる・・・・・・・・からな。
「随分と物わかりのいい使い魔だこと。じゃあ、続けさせてもらうわね」
高笑いしながらそう言うフーケ。
どうぞどうぞと先を促うながす。
「結局使い方がわからなかった私は、魔法学院の者にこれを使わせることで、これの使い方を知ろうとしたのよ。
内部の物は、内部の者に使わせろ、ってね」
なるほど。
今回の場合は微妙に見当外れだけど、的確っちゃ的確だったな。
「わたしたちの誰も知らなかったら、どうするつもりだったの?」
「その時は、全員土人形ゴーレムで踏み潰して次の連中を連れてくるだけよ。
でも、その手間は省けたみたいね。こうやって、きちんと使い方を教えてくれたじゃないの」
フーケが笑う。
ルイズは歯噛みしている。
タバサは……、隙が無いか探ってる感じだな。
実のところ、今のフーケって隙だらけってか隙しかないノーガードって感じなんだが。
そろそろ、頃合いかね?
視界右の方、木々の間に見え隠れする赤色を見やる。
「じゃあ、お礼を言うわ。短い間だけど、楽しかった。
じゃ、さよなら」
今だ。
フーケの背後・・・・・・にむかって投げたナイフへとダッシュする。
ルーンで強化されていない分、スピードが出ない。
慌てたフーケがこちらに『杖』の砲口・・を向け、トリガーを押し込み────
当然
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