暁 〜小説投稿サイト〜
fate/vacant zero
森に響く凱歌
[3/23]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーズ先生が、オスマン老に抱きついた。


「おお、オールド・オスマン、あなたの慈悲の御心に感謝いたします!
 わたくしはあなたをこれから父と呼ぶことにいたします!」

「ええのじゃ、ええのよ。ミセス……」


 オールド・オスマンはそう言ってシュヴルーズ先生の背中を……、じゃねえ。

 尻を撫でていた。



 ……第三印象は、『エロジジイ』で決定だろうか。


「わたくしのお尻でよかったら! そりゃもう! いくらでも! はい!」


 あ、オールド・オスマンの目も点になった。まばたきしてる。

 どうやら予想外の反応だったらしい。一つこほりと咳をした。







 実のところオスマン老は場を和ませるつもりでやったのだが、誰も動きを見せなかった。

 皆、一様に真剣な目をしてオールド・オスマンの言葉を待っていたのだ。


 シリアスな場面の時に、突発的にギャグに走ってはいけない。

 何事も相手のノリ次第である。



「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」

「この三人です」


 誤魔化すように尋ねたオスマン老に、コルベールが進み出て背後に控えた四人を手で示す。


 ルイズ、キュルケ、タバサで三人である。

 才人は使い魔のため、数には入れられていない。


「ふむ……、君たちか」


 オスマン老の視線が、興味深そうに才人を捉えていた。

 なぜ自分がじろじろと見られているのか才人は分からなかったが、なんとなく背筋を伸ばしてしまう。


 エロジジイの印象に定まりかけていても、その威厳は本物なのだった。


「詳しく説明したまえ」


 ルイズが一歩前へと進み出て、見たそのままを述べる。


「あの……、大きな土人形ゴーレムが突然現れて、ここの壁を壊したんです。
 それからその肩に乗っていたローブの魔法使いメイジがこの宝物庫から何か長い物……、多分その『破壊の杖』だと思いますけどそれを持ち出したあと、またゴーレムの肩に乗りました。
 ゴーレムは壁をまたいで草原に出て……、しばらく進んだ後、崩れて土に戻ってしまいました」


「ふむ。それで?」

「崩れた時、すぐに土の塊まで降りたんですが……、土しか残っていませんでした。
 肩に乗っていたローブの魔法使いメイジは、影も形もなくなっていました」


「ふむ……、後を追おうにも、手がかりナシというわけか」


 オスマン老はヒゲを撫で、辺りを見回して自らの腹心の部下がいないことに気付いた。

 コルベールに尋ねてみる。


「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」

「それがその……、朝から姿が見当たりませ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ