森に響く凱歌
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ーズ先生が、オスマン老に抱きついた。
「おお、オールド・オスマン、あなたの慈悲の御心に感謝いたします!
わたくしはあなたをこれから父と呼ぶことにいたします!」
「ええのじゃ、ええのよ。ミセス……」
オールド・オスマンはそう言ってシュヴルーズ先生の背中を……、じゃねえ。
尻を撫でていた。
……第三印象は、『エロジジイ』で決定だろうか。
「わたくしのお尻でよかったら! そりゃもう! いくらでも! はい!」
あ、オールド・オスマンの目も点になった。まばたきしてる。
どうやら予想外の反応だったらしい。一つこほりと咳をした。
実のところオスマン老は場を和ませるつもりでやったのだが、誰も動きを見せなかった。
皆、一様に真剣な目をしてオールド・オスマンの言葉を待っていたのだ。
シリアスな場面の時に、突発的にギャグに走ってはいけない。
何事も相手のノリ次第である。
「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
「この三人です」
誤魔化すように尋ねたオスマン老に、コルベールが進み出て背後に控えた四人を手で示す。
ルイズ、キュルケ、タバサで三人である。
才人は使い魔のため、数には入れられていない。
「ふむ……、君たちか」
オスマン老の視線が、興味深そうに才人を捉えていた。
なぜ自分がじろじろと見られているのか才人は分からなかったが、なんとなく背筋を伸ばしてしまう。
エロジジイの印象に定まりかけていても、その威厳は本物なのだった。
「詳しく説明したまえ」
ルイズが一歩前へと進み出て、見たそのままを述べる。
「あの……、大きな土人形ゴーレムが突然現れて、ここの壁を壊したんです。
それからその肩に乗っていたローブの魔法使いメイジがこの宝物庫から何か長い物……、多分その『破壊の杖』だと思いますけどそれを持ち出したあと、またゴーレムの肩に乗りました。
ゴーレムは壁をまたいで草原に出て……、しばらく進んだ後、崩れて土に戻ってしまいました」
「ふむ。それで?」
「崩れた時、すぐに土の塊まで降りたんですが……、土しか残っていませんでした。
肩に乗っていたローブの魔法使いメイジは、影も形もなくなっていました」
「ふむ……、後を追おうにも、手がかりナシというわけか」
オスマン老はヒゲを撫で、辺りを見回して自らの腹心の部下がいないことに気付いた。
コルベールに尋ねてみる。
「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「それがその……、朝から姿が見当たりませ
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