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fate/vacant zero
森に響く凱歌
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と考えながら、発射口の照門フロントサイトを起こす。


 コレで組み立ては終了。

 『杖』を肩に掛け、その照準・・を土人形ゴーレムに合わせる。


 まあ、照門使ってまで合わせる必要もないような至近距離だ。

 安全装置が生きてたら爆発するかどうか怪しいところだが、まあ時間も無ければ距離も余裕も無い。


 ままよ、と背後においたルイズに怒鳴る。


「後ろに立つな。焼けるぞ!」


 ルイズが慌てて体をずらしたのを直感でふりむくことなく確認し、安全装置を解き……、四角いトリガーを強く押し込んだ。


 しゅぽっと何かが『杖』の先から飛ぶ。

 才人の動体視力は、それをはっきりと捉えた。


 頭でっかちの黒っぽい炸薬・・は、3対6枚の細い羽と白煙を曳きながら、狙い違たがわず土人形ゴーレムの胸部へと吸い込まれ。


 一瞬の間が空き、森中に響いたんじゃないかというような耳を劈つんざく爆音が轟き、土人形ゴーレムの上半身は爆発四散した。







 土の塊が、にわかに降り注ぐ中、才人は無意識につむっていた目をゆっくりと開く。


 下半身だけになった土人形ゴーレムは、上げた足を踏み出そうとして……、横に盛大にぶっ倒れて、落としたガラスみたいに弾けて、ただの土の塊へと還った。

 そうして後には、昨夜のものよりなだらかな土山が残された。


 ルイズはそこまでの行程を呆然と見つめていたが、敵が居なくなったと理解するや、へなへなと地面に尻をついてしまった。

 腰が抜けたらしい。


 タバサを乗せたドラゴンもばさつきながら降りてくるのが見え、才人はようやく一息つくことを許された。


 キュルケは……、相変わらず姿が見えない。

 暴れまわって広くなった広場にも関わらず、見回せる限りの周囲にはあの目立つ炎髪は映らなかった。どこまで逃げたんだ。


 とりあえず、降りてきたタバサに礼を言っておこう。


「お疲れさま。ナイフ、ありがとうな」


 ふるふると首を振るタバサ。

 まあ、いくらか問いただしてみたいことはあるんだけど、そっちは後回しだ。


 ナイフの操る発言に関してはな。


 それからタバサは土の山を見て、一言呟いた。



「フーケはどこ?」



 そうだった。


 ようやく本来の目的を思い出した。

 そうだよ、あの土人形ゴーレムを操ってやがった野郎メイジはどこに居やがるんだ?

 さっきの土人形ゴーレムには、最初から乗ってなかったみたいだし。


 その時、がさがさっと藪をかきわける音が背後から聞こえた。

 振り向いてみれば、辺りを偵察に行っ
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