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fate/vacant zero
土塊つちくれの巨人
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達じゃないのかね。まあ、この子は気にしてないみたいだけどさ。


 あ、ルイズが般若になった。

 こりゃ、まずいかな……、血を見ることになりそうな気がするんだが。


 主に俺が。

 ルイズが、ドライアイスみたいな笑みを浮かべてる。

 声も震えてる。っておい、そりゃ言いすぎ……。


 キュルケの顔色も変わった。それこそ、髪の色の様に。

 マズい。


 二人が同時に自分の杖に手をかけた時、それまでじっとベッドに座っていたタバサが動いた。

 二人よりも早く自分の杖を振りぬき、つむじ風で二人の杖を手から宙へと奪い去った。


「室内」


 巻き込まれるから外でやって、と取るべきだろうか。

 それだけ告げてタバサは、また本を読み始めた。



「なにこの子。さっきから居るけど」


 急な横槍というやつは、なんでこうイライラしてしまうのだろう。

 自分がまったく反応出来ないような速さだったことが、それをこんなちびっ子がやってのけたことが、さらに苛立ちを燃焼させる。


「あたしの友達よ」


 へえ、キュルケの友達なの。

 ってこら。


「なんであんたの友達が、わたしの部屋にいるのよ?」


 納得いかないにもほどがある。ってか、ここはアンタの私室じゃないのよ、と睨んでおく。


「いいじゃない」


 キュルケが、責めるような視線で睨んできた。

 わたし、いま何か変なコト言ったかしら。

 正当な権利だと思うんだけど? っていうか、だからここはわたしの部屋だっての。


 ぐぐぐぐ、っと真っ向から睨みあう。

 睨みあう。

 睨みあう。

 睨みあう。

 睨みあ……、あ、キュルケが目を逸らした。


「じゃあ、サイトに決めてもらいましょうか」
 俺は、あっという間の女の子の早業を、ぽかんと口を開けてみていた。

 すげえ。振られてる途中の杖が見えなかった。ってそうじゃねえだろ。

 助けてもらった礼ぐらいしろよ、俺。


「ありがとうな。助かったよ」


 小声で囁いておく。


 まあなんとなく予想していた通り、軽く頷くぐらいしか反応は返ってこなかったんだけどな。

 やっぱ、初日のあの反応は素だったのか。


 なにかに熱中してる時って、周りへの対応がおざなりになるからな、と。

 好奇心の旺盛すぎる自分の体験は、女の子の無反応をそう結論づけた。



 そういえば、聞きそびれてたことがあった。まあ、これぐらいは聞いておいてもバチは当たらないだろうか?


「……なあ。名前、なんていうんだ?」


 女の子は本からま
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