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fate/vacant zero
王都トリスタニアの休日
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……ごめん、わかんない。慌ててたから……」

 む。


 しょうがない、一からシルフィードに探してもらおう。


「馬二頭。食べちゃダメ」


 そんなの言わなくてもわかってるのね、とジト目でこっちを見た後、シルフィードは力強く翼で風を打ち始めた。

 もっと高く空を昇り、視力で馬を見つけるつもりらしい。

 まあ、相手がいるのは草原である。すぐ見つかるだろう。


 さて、本の続きを読もう。



 そう思い、本を開くタバサ。

 どうやら場所が部屋から竜の背に変わっただけで、タバサの休日は何も変わらず過ぎていく、ようだ。



 少なくとも、今だけは。











Fate/vacant Zero

第七章 王都トリスタニアの休日











 才人とルイズは、トリステイン王城城下町トリスタニアの中央通りを歩いていた。


 魔法学院から乗ってきた馬は、門をくぐってすぐの駅に預けてある。

 才人は、生まれて初めての乗馬で遠乗りをするという無茶をやった所為せいで、腰が痛くて仕方なかった。


 確かに乗馬は面白かったのだが、一般人才人の身体能力では"興味"の勢いについてこれなかったらしい。

 ちなみにルーンは手綱では起動しなかった。無念。


 揺れる視界でひょこひょこと、街への興味を自前の餌にしながら歩く。



 ルイズは隣を歩きながら、そんな才人をしかめっ面して横目に見ている。


「情けない。馬にも乗ったことがないなんて、これだから平民は……」


 そこ叱るとこと違う。


「うっせ。だいたい、初乗りするヤツをこんな長時間乗せっぱなしにすんじゃねえよ」

「あの距離を歩いてきたら日が暮れちゃうでしょ。だからよ」


 まあ、そうなんだが。

 不毛だ、この話題は打ち切ろう。



 才人は、きょろきょろと通りを見回す。

 白い石造りの街は、なんだかテーマパークに来ているような錯覚を覚えさせてくれる。

 こういう西洋調の街というヤツは、国外に出たことの無かった才人にとっては新鮮極まりなかった。


 果物や肉、奇妙な小瓶からデカい籠かごまで、多種多様に露店を出している商人たちの群れ。

 のんびり歩いていたり、露店で品物を物色していたり、早足で人の群れを縫うやつがいたり。

 この通りには、老若男女ろうにゃくなんにょ取り混ぜた人々が闊歩していた。


 全体的に、魔法学院の人々より素朴な感じの印象を受ける。

 ああ、実に新鮮だ。新鮮だが、なんか違和感がある。


 左右を見比べ、
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