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fate/vacant zero
王都トリスタニアの休日
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ど繰り返したところで諦め、ぱた、と手を下ろして恨めしげに見つめてみる。無表情に。

 すまなそうな顔をしながら、キュルケが言った。



「わかってる。あなたにとって虚無ウィルドの日がどんな日だか、あたしはよく知ってるわよ。
 でも、今はね、そんなこと言ってらんないの。
 恋なのよ! 恋!」



 それでわかるでしょ、と視線で問われたが、わかりもしなければ納得も出来ないししたくない。

 説明を要求する。


「そうね、あなたは理由がないと動かないんだったわね……、ああもう! あたしね、恋したの!」



 知ってる。


「でね? その人が今日、あのにっくいヴァリエールと出かけたの!
 あたしはそれを追って、二人がどこに行くのか突き止めなくちゃいけないの!
 ここまでいい?」



 いい。

 彼女と一緒に出かけた、ということは……、今度のキュルケの相手は、二週間前に"青銅"に辛勝していた使い魔の男子だろうか。



 で。

 それで、なんでわたしに頼むの?



「馬に乗ってっちゃったのよ!
 あなたの使い魔じゃないと追いつけないの! 助けて!」



 半泣きになりながら抱きついてきた。


 しかたない。

 しぶしぶながら一頷きしておく。



「ありがとう! じゃあ、追いかけてくれるのね!」


 こくり、ともう一頷きする。

 だから、早く本返して。


 手を差し出したら、握りしめて感謝された。


 そうじゃなくて、本。

 視線をじっと上げられっぱなしの本に向けていたら、バツが悪そうに本を返してくれた。


 受け取った本を胸に抱き、窓を開けて口笛を吹く。



 ぴぃーっ、と音が天高くまで響き渡り、豆粒みたいな深い青がどんどん膨らみながら降りてくる。


 豆粒大が握り拳大になったところで窓から飛び降り、3階の床を過ぎた辺りで滑り込んできたシルフィードに、その体を受け止めさせる。

 キュルケも、間を置かずに背後に落ちてきた。



 この乗り方にも最近はだいぶ慣れてきたと思う。

 シルフィードは嫌がってたけど。

 痛いのね、だそうだ。


 二人がちゃんと乗ったのを確認したシルフィードは、その翼をばさばさと羽ばたかせて気流を捉え、200メイルmほどを一気に空へ逆戻っていく。



「いつ見ても、あなたのシルフィードには惚れ惚れするわね」


 キュルケは突き並んだ背びれにつかまりながらそう感嘆している。

 ……あれ、そういえば。



「どっち?」


 それがわかれば、楽に見つかるのだけれど。

「あ
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