使い魔生活も楽じゃない
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時間は、タバサがイザベラの侍女たちによって着せ替え人形と化していた頃まで戻る。
中天に差し掛かりつつある日差しをたっぷりとまぶたに感じ、才人は短く呻うめきを上げた。
「……ぅあ?」
目を薄く開けてみると、日光が直撃していてものすごく眩しかった。
いったん目を閉じ、体を起こしてからもう一度目を開ける。
視界の下の方が久しぶりの光で真っ白に染まっているが、薄目になって耐える。
……あれ、なんで俺は寝てたんだ?
はて、と体を眺めようとして、何か首周りの感覚がおかしいことに気付いた。
うまく首が回らない。
あごも引けない。
仕方が無いので、視線だけを下方向に向けて……、目が点になった。
さきほど、視界半分が白に染まっているといったが、比喩でもなんでもなかったらしい。
才人の体は、包帯でギッチリがっちりと固められていた。
ギプスかよとツッコみたかった。
だが、ミイラ状態の体を見ることで、思い出せたこともあった。
そう、確かあのギーシュとか言う奴と戦って、動く銅像ゴーレム……、えーと、確かヴァルキリーだっけ?
……なんか違う気がするけど、まあいいか。
ともあれ、アレにフルボッコにされて。
それから剣を握って、なんだかわからん力で動く銅像ゴーレムを解体バラしたんだっけ。
で、ギーシュに勝ったと。
多分大筋はこれであってるはず。
うん、いまいち信用できない辺りが実に俺っぽい。
しかし、勝った後ってどうなったんだっけ?
なんか、おもしれえ! って思ってたような気はするんだけど。
あと、ルイズが走ってきてたような気もする。
でも、その次に覚えてるものがわけわからん。
なんで視界一面の地面なんだ。
その次の記憶はもう、ついさっきの目を焦やかれたかと思うくらい眩まぶしい光なワケで。
つまり、それって……、気絶したってことか?
体力の限界でも気絶って出来るんだな、と初めての体験を才人は脳みそにすりこんだ。
で。
どこだ、ここ?
ゆっくりと辺りを見回す。
体の乗っかっているのは見覚えがあるベッド。
向こうに見えるは見覚えがある窓に見覚えのあるクローゼット。
そして、見覚えのある椅子に座って見覚えのあるテーブルに突っ伏した、見覚えのあるルイズ。
うん、どうみてもここはルイズの部屋だ。
ということは、いま俺が寝てるのってルイズのベッドか。
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