使い魔生活も楽じゃない
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しい。
「あいつらはなんだ、確かに魔法を使える。
土から鍋や城を作ったり、炎の玉なんかを吐き出したり、果てはドラゴンを操ったりでたいしたもんだ!
だがな、こうやって絶妙の味に料理を仕立て上げるのだって、言ってみれば魔法の一つだと思わないか?」
というのが親父さんの弁だった。
確かに、と同意したら「お前はまったくいいやつだな!」とさらに力が強くなった。
一瞬オチかけたのは秘密だ。
あと、「お前はどこで剣を習った? どれだけ訓練したら、メイジのゴーレムを切り裂けるぐらいになれるのか、俺にも教えてくれよ」とも尋ねられた。
剣なんか握ったことも無かったと正直に話したら、謙遜していると思われたらしくて、「達人は誇らない!」という妙な格言まで生まれてしまった。
その後、ルーンを試したくなったのと、押し付けられた掃除と洗濯をしなければならないのとで、厨房を後にする時なんかは敬礼で見送られた。
あそこまでいくとかなり気恥ずかしいんだけど、なんだか随分と俺は気に入られてしまったらしかった。
部屋の掃除(昨日したばっかりだったから、それほど時間はかからなかった)を済ませ、床に纏めたルイズの洗濯物を籠にまとめて、下の水汲み場へ洗濯に。
で。
昨日は腰が痛くなってくるほど洗濯したわけだけど、それでも水の冷たさには慣れるもんじゃなかった。
当然、ポンプ式水道水なんかありゃしない。井戸水だ。
地下から汲んだ天然水が、すごく冷たいというのは、昨日イヤというほど脳裏に刻まれていたはずなんだが。
やっぱり書き残しておくことは大事だと思う。
……昨日もシエスタにいい方法が無いか尋ねてみようか、と思ったはずなんだけどなぁ。
完璧に忘れてたよ……。
昨日に比べたらはるかに早く洗濯は終わった。
まあ、一日分ならあれぐらいで普通なんだろう。
そうしたら、ルーンを軽く試してみたくなってきた。
なんせ、昨日洗濯板を強く握り締めたときにもほのかに光ったのである。
うっかり力加減を忘れてごしごししたら、キャミソ−ルが一つおじゃんになっていた。
そんでもって「ご主人様の衣類を台無しにする無礼な使い魔には罰を」と昼飯を抜かれた。
さっさと発動する条件を探らないと、いつ何が起こるもんだかわかったもんじゃなかった。
そんなわけで、その辺の木から小枝を一本拝借して、手に持ってみた。
ルーンに反応は無かった。
軽く握りこんでみた。
ルーンがほのかに光った気がした。
でも、あの時みたいに体が軽くなったりはしなかった。
アレはギーシュの野郎の剣の
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