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fate/vacant zero
使い魔生活も楽じゃない
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 こちらにつかつかと近寄ってくる。


 なんだなんだと思っていたら、被っていた毛布を引っぺがされ、首根っこを掴まれてベッドから引きずりおとされた。


 曰く、「治ったんなら、さっさとベッドから出なさいよ!」だそうだが、とりあえずそれはどうでもいい。



「をぉおをぉおぉをおおぉ」



 ごとりと落とされた衝撃が響いてむっちゃいてぇ。

 痛さで転げまわると、そこは板張りの床だ。

 がんがん痛みは増していく。

 ついでに包帯もはらはらほどけていく。絡まる絡まるのどが絞まる。


 どんな無限地獄だ。というか、殺す気かこら。

「をぉぉおおぉ、をおおをま、な、何しやがる!
 こちとら怪我人だぞ!?」


「それだけ話せりゃ充分よ」


 ぎしぎしと痛む体をとりあえず起こす。

 横になったままだったら、本気で痛みで死ねる。


 もうちょっとくらい寝させてくれてもいいだろうに。


「そ、それじゃ、ごゆっくり……」


 シエスタが苦笑を浮かべながら、部屋を出て行く。

 とばっちりから逃げたらしい。

 ひでえなぁ、もう。と、思った矢先。


 ルイズが、服や下着の小山を投げつけてきた。

 枚数からして、俺が気を失ってから溜め込みっぱなしだったらしい。

 一発で埋もれた。


「あんたが寝ている間に溜まった洗濯物よ。
 あと、部屋の掃除。早くしなさい」

「……お前なぁ」


 なんか、一気にやる気が失せたんだが。

 俺の感謝と感動を返せコノヤロウ。


「なによ。ギーシュに勝ったくらいで待遇が変わると思ってたの?
 おめでたいんじゃないの? バカじゃないの?」


 好き放題いいやがるルイズ。

 ちょっとギーシュが哀れになったのは、きっと気のせいだ。



 やっぱ、こいつに借りだなんて考えたのは無しだ。

 ていうか、そんなもんあってたまるか。

 よくよく考えたら元々俺の貸しばっかじゃねえか畜生。

 憎々しく睨んでいると、人指し指を立てて、勝ち誇った調子で――、つまり、毎度恒例の調子で、ルイズは言った。


「忘れないで! あんたはわたしの使い魔なんだからね!」


 わーってるよ恨蓄生こんちくしょう。

 ていうかほんとにそう思ってるんだったらそのやる気をねこそぎ奪ってくセリフをやめやがれバカヤロウ。











Fate/vacant Zero

第五章 使い魔生活も楽じゃない









・平等マンの月、保護の週ソーン、陽炎ケンの日。

 ルイズが言うに
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