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fate/vacant zero
古の伝説
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◆が、ぼ■ え゙」

 台詞の一部がごろごろと鳴る雑音ノイズで潰れたが、なんとか声になった。


「誰が。誰が泣くもんですか。
 ……もういいじゃない。あんたはよくやったわ。
 こんな無茶する平民なんて、初めてみたわよ」


 ……少し、気が緩んだ。

 すると、右手が、ずきずき、どころではない痛みを放っているのに気づいてしまった。

 なんかじくじくと――


「――×っでえ」


「痛いに決まってるじゃないの。当たり前じゃないの。
 ――何考えてるのよ、このバカ」



 なにかが当たる感覚が、頬にした。


 大丈夫、いまの俺には気付かない。

 だから、こいつは いてなんかいない。

 それぐらいの意地は張らせてやる。

 張らせてやる、から。


「あんたはわたしの使い魔なんだから。これ以上、勝手な真似は許さないからね」


 すまねえな、ルイズ。



「……終わりかい?」




 だから────その約束はできねえ。



「――$&っとま゙っでろ。た§のぎゅΨけい゙だ」



「サイト!」


 上半身を起こしながら、ギーシュに告げた。


 ――つもりだ。

 ギーシュは、俺の意地を呑みきるつもりらしい。

 微笑みながら、薔薇を一振りした。


 舞い落ちた花びらが一本の剣に変わり、地面に落ちる。

 ギーシュはそれを掴むと、才人に向かって投げた。

 その剣は、未だ立ち上がっていない俺の真横に突き刺さった。


「君。これ以上続けるというのなら、その剣を取りたまえ。
 もしここでやめるというのなら、一言こう言いたまえ。
 ごめんなさい、とね。
 それで手打ちにしてやろうじゃないか」

「ふざけないで!」


 ルイズが、立ち上がって怒鳴る。しかし、ギーシュは気にも留めずに言葉を続ける。



「わかるか? 剣だ。つまり『武器』だ。
 平民どもが、せめて魔法使いメイジに一矢報いようと磨いた牙さ。
 まだ噛みつく気があるというのなら――」



 その先は聞いちゃいなかった。

 なぜなら、その時にはもう、俺は、初めて見た"本物の"『武器』に、興味を全部持ってかれていたのだから。





 剣。剣だ。すっげえ。

 本物……、なんだよな。


 俺の"興味"は、ゆらゆらと、でも確実に左手を突き動かし、それを握らせた。

 その剣の"柄"を、ルイズが押さえた。



「だめ! 絶対だめなんだから! それを抜いたら、ギーシュは容赦しないわ!」


 そうかい。


「Дもな。おれ%、もとのぜか‡に
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