古の伝説
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かい?」
ルイズは、怒りによって瞬時に沸騰した。
「誰がよ! 冗談はやめてよね! 自分の使い魔が無駄に傷つけられるのを、黙ってみてられると思うの!?」
……ちょっと待て、こら。
「誰が……怪我、するっ て? 邪魔すんなよ、バカ」
「サイト!?」
肩に手を置かれたルイズが、悲鳴のような声で叫んだ。
「へ……、ようやく名前で呼びやがったなコノヤロウ」
そうして、肩に手を置いて初めて分かった。
ルイズは、震えていた。
「わかったでしょう?
平民は、絶対に魔法使いメイジには勝てないのよ!」
「……ちょっと、油断しただけだ。いいから、そこをどいてろルイズ。危ねえぞ」
そのまま、肩に乗せた右手でルイズを押しやる。
痛みがずきりと響いたが、ちょっと鼓動に合わせて軋んでるだけだ。
根性で耐えろ、俺! 弱みを見せるな!
「おやおや……、立ち上がるとは思わなかったな。手加減が過ぎたかな?」
ギーシュが才人を挑発する。
才人は、ゆっくりとギーシュに向かって歩き始めようとした。
が、ルイズに肩を掴まれて後ろにつんのめる。
「寝てなさいよ、バカ! なんで立つのよ!」
ああ──鬱陶しい。
才人は肩を揺らし、ルイズを振り払った。
なんでだって? そんなの、決まってんじゃねえか。
「ムカつくからだ」
「ムカつく? 魔法使いメイジに負けたって、恥でもなんでもないのよ!」
恥だ?
負けることなんて分かりきってる。
だったら初めから負けを認めてていこうもせず理不尽でも謝れぶざまににげだせって?
ああ……ダメだ、こいつ。根っこからわかってねえ。
「うるせえよ」
「え?」
「負けたら恥だって? だから・・・意地張ってる?
恥ずかしいからって意地張るくらいなら、まずお前にケンカふっかけてるぞ?
いい加減、俺はムカついてるんだ。
魔法使いメイジだか貴族だかしらねえけどよ、お前ら、揃いも揃って頭ごなしに威張り散らしやがって。
魔法がそんなに偉いのかよ」
ギーシュが、毒を吐き散らすこっちを薄い笑みを浮かべながら可笑しそうに見てやがる。
「やるだけ無駄だと思うがね」
「無駄? そりゃどっちがだ?」
「無論、きみに決まっているだろう?」
「そうか? 全然効いてねえぞ、お前の銅像の拳。
俺はまだ、こんなに元気だ。──弱えな、お前」
最後の言葉を口に
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