ゼロのルイズ
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さて、食べる時間より待つ時間の方が倍以上どころではなく長かった食事がようやく終わり、才人は今、学院の教室の一つにいる。
教室は石で出来ていて、大学なんかの講義室みたいな造りをしていた。
講義を行う魔法使いの先生用教壇が一番下、そこから階段状に席が続いていて、部屋としてはなかなか広い。
さっきルイズと並んで教室に入った時は、先に来ていた生徒たちが一斉に振り向いて少しびびった。
そのあと、皆してくすくすにやにやと笑い始めたのが少しだけ胸をむかつかせた。
食事前に遭遇したキュルケも居た。周りを男子に取り囲まれている。
なるほど、男の子がイチコロというのがよく分かった。
周りを囲んだ男子たちに、女王のように祀まつり上げられているようだ。
まあ、あの容姿なら仕方がないことなのだろう。
美貌は世界を越える共通言語らしい。
皆、様々な使い魔を連れていた。
キュルケの椅子の下に、火蜥蜴サラマンダーが眠り込んでいる。
肩にフクロウを乗せている生徒がいる。
窓からは巨大なヘビがこちらを覗きこんでいる。
一人の男子が口笛を吹くとそのヘビは頭を隠し、かわりに昨夜のドラゴンが見えた。
紫の月光ではよくわからなかったが、鱗は青色だったらしい。
ぐーすかと木にもたれるようにして眠っている。
鼻ちょうちんが見えたような錯覚を覚える辺り、ドラゴンのイメージぶち壊しだと思う。
その他、教室を見回す限りでもカラスや猫などの普通の動物たちや、ファンタジーな生き物がたくさんいた。
中でも六本足のトカゲ、ふよふよ浮かんでる大目玉、蛸足な人魚(魚?)辺りがかなり目立っていた。
それぞれ石竜バジリスク、黒陽バグベアー、夜叉鱆スキュラというらしい。
ルイズが不機嫌そうにしながらも教えてくれた。
そうこうしていると、ルイズが席の一つに腰掛けた。
隣に座ろうとしたらそこは魔法使いメイジの席だと床に座らされた。
が、目の前に机があって流石に窮屈だったので、また椅子に座りなおした。
ルイズに睨まれたが、知ったことではない。床は冷たいのだ。
椅子に座り改めて使い魔を見物していると、昨夜の女の子も見つけた。
昨日、月光に照らされて助け起こした時もそうだったが、見つけたときにドキリとした不思議な感触を胸に覚えた。
よく分からない、あまり覚えのない感覚だった。
そんな彼女は一つ下の段、壁際の席に座り、黙々と本を読んでいた。
周りの生徒たちも彼女の方にはまったく関心を向
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