ゼロのルイズ
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「よかないわよ!
魔法使いメイジの実力を推はかるには使い魔を見ろって言われているぐらいよ!
なんであの色ボケ女が火蜥蜴サラマンダーで、わたしがあんたなのよ!」
「悪かったな、人間様で。だいたい、お前らだって人間じゃねえかよ」
「魔法使いメイジと平民じゃ、オオカミと犬ほどの違いがあるわよ」
ルイズは得意げにそう言った。
そんなに自分の使い魔を貶けなして楽しいんだろうかこいつは。
「……はいはい。ところであいつ、キュルケだっけ?
ゼロのルイズってお前を呼んでたけど、"ゼロ"ってなに? 苗字?」
「違うわよ! わたしはルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。ゼロは、ただのあだ名よ」
あだ名か、なるほど。
キュルケとやらは確かに微熱っぽかった。
……"微"熱か? まあいいや。
「うん、なんとなくわかった。わかったけど、ゼロってどういう意味で付けられてるんだ?」
「……知らなくていいことよ」
ルイズは、バツが悪そうにしている。
なんとなく頭の天辺からつま先まで見下ろして、原因っぽいものを見つけた。
「むね?」
才人はそこを見ながら呟いた。もののみごとにゼロだった。
ルイズの大きく振りかぶった右ストレートが鼻っ面めがけて飛んできた。
気合で首を傾けてかわす。風切って唸る拳は鼻先を掠かすめた。
「避けるな!」
「殴んな!」
理不尽を言うルイズに怒鳴り返した時、何か引っかかるものを感じた。
昨日から今に至るまでの思い浮かぶ限りの記憶を振り返り、あることに気づく。
こいつ、『契約コントラクト・サーヴァント』以外に魔法を使ったっけ?
はて、と才人は首をひねった。
トリステイン魔法学院の食堂は、学院の敷地内で一番背の高い、中央本塔の中にある。
食堂の中にはむやみやたらに奥行きの長いテーブルが三つ並んでおり、ルイズたち二年生はその中央のテーブルを使っていた。
机に群がっている魔法使いメイジたちを見る限りだと、マントの色は学年を区別するためのものらしい。
食堂奥に向かって左のテーブル、ちょっと(だけ)落ち着いた雰囲気のする魔法使いメイジたちは、紫色のマントをつけている。
ルイズが言うには、三年生だそうだ。
同じく向かって右のテーブルに居並んでいる魔法使いメイジたちは、茶色のマントを羽織っている。
となるとまあ、こっちが一年生なのだろう。
おれたちの世界のジャージみたいなもんかな
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