ゼロのルイズ
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よ」
肯定する声で、一気に爆笑した。
「あっはっは! ほんとに人間なのね! すごいじゃない!」
ああ、人間だよ。どうせ人間ですよこんちくしょう。
使い魔の能力もロクに持ってないごくフツーの一般人ですよなんか文句あるか。
すごい勢いで卑屈化する才人。
どうも昨日からコケにされまくってるせいか、あっという間に切なさ乱れ討ちまで突っ走ってしまうようだ。
それでも目は胸に向かっている辺り、男の子である。
「『召喚サモン・サーヴァント』で平民喚んじゃうなんて、あなたらしいわ。
ゼロのルイズの面目躍如ね」
ただ一言で、ルイズの頬がさっと怒気に染まった。
「うっさいわね」
「あたしも一昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「あっそ」
不機嫌かつどうでもよさそうにルイズが口を尖とがらせている。
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねぇ。フレイムー」
キュルケは誇ほこるように、使い魔らしき何者かを呼んだ。
ほんの少しの間を置いて、キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲが姿を現した。
むんとした熱気が、辺りを包み込む。
「うわぁ! なんだこれ!」
才人は滑るような勢いで後ろへ後ずさった。
じりじり。
「おっほっほ! あなた、ひょっとして火蜥蜴サラマンダーは初めて?」
どうやら火蜥蜴サラマンダーというのは種族のことらしい。
なるほど確かに。尻尾や口から迸っている炎が、視覚的にも物理的にも熱い。
じりじり。
「当たり前だ! 危ないじゃねえか! っていうかコレ何!?」
才人はかなり怯えているようだ。まあそりゃそうだろう。
この火蜥蜴サラマンダー、大きさが子トラぐらいは確実にある。
じりじり。
「ああ、平気よ? あたしが命令しない限り、襲い掛かったりしないから。臆病ちゃんね」
キュルケは手をあごに添え、色っぽく首をかしげた。
ほう、襲い掛かったりはしないのか。
それなら安心……、安心……。……安心?
じりじり。
「って安心できるか! それならなんでこいつ、俺の方ににじりよって……、あれ?」
なんか猫だったらごろごろ言ってそうなくらいに首を擦り付けられてますヨ?
……こうして間近で見るとなんか意外と愛嬌があるし。
あと、炎が熱いかと思ったらそれほどでもありませんでした。ファンが死んで発熱中のノートパソコンぐらい。
しかしなんで敬語だ俺。動揺してんのか。
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