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fate/vacant zero
ゼロのルイズ
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こうの壁を貫かせて固定しておく。

 そうこうしていると、すっかり昨日の調子に戻ったルイズの、何故か得意げな声がした。



「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は従僕がいる時は自分で服を着るなんてしないのよ」


 実にむかつく。

 というかそれ、得意げに語ることじゃねえだろ。情けねえことだろ。


 ……と心でツッコんだ。



「服ぐらい自分で着ろよ」

「あっそ。生意気な使い魔にはお仕置き。朝ごはんヌキね」


 にっこり、というよりは、にやり、と勝ち誇った笑みを浮かべ、指を立ててルイズは言った。



 わかりました降参です。

 昨日の昼からこっち堅パンぐらいしか食ってないんです流石に腹が減ってきましたっていうかぐぅぐぅ鳴き始めました。


 全面降伏、むしろ1RTKOいちげきひっさつ。

 食欲にプライドと羞恥心と獣欲を売り渡した才人は、さっき投げ捨てたブラウスを拾い上げた。













Fate/vacant Zero

第二章 ゼロのルイズ













 着せ替え人形ごっこをどうにかこうにか煮える脳ミソで終え、ルイズと一緒に昨日駆け抜けた廊下に出る。

 昨日逃走したときは暗くてロクに見えなかったが、正面の壁には木製の扉が三つばかり並んでいた。


 んで。部屋のドアを閉めると同時。

 三つのうち、正面にあるドアが開いて、中から炎のように赤い髪の女の子が現れた。


 背丈は才人と同じくらいで、むせ返るような色気を放っている。

 彫りの深い顔立ち。突き出たバストは実にけしからん。メロン級だ。


 ブラウスの一番上と次のボタンは外され、胸元は谷間を覗かせている。

 油断すると目がそっちに行ってしまいそうだった。

 褐色の肌も、健康そうでパブリックな色気を振りまいている。


 背丈、肌の色、まとう雰囲気、胸の大きさ。

 昨日の夜に出会った女の子と、見事なまでに対照的であった。



 ……や、どちらも魅力的なことに変わりはないんだけどね?



 そうこう批評していると、赤毛の彼女はルイズに話しかけてきた。


「おはよう。ルイズ」


 話しかけられたルイズは何故か嫌そうに顔を顰めると、これまた不機嫌そうな声で返事をした。


「おはよう。キュルケ」


 ルイズの返事を聞いたキュルケ、と呼ばれた女の子はにっこりと嗜虐的に微笑む。



「あなたの使い魔って、それ?」


 才人を指差し、かなり馬鹿にした口調で問うキュルケ。


「そう
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