ゼロのルイズ
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ません……」
しゅんとして顔を伏せてしまった。
「おしゃべりをする余裕があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
「え? わたし?」
ざわ……、ざわ……、と教室の空気が揺れた。
気がした、なんてなまやさしいもんではなく、もっと恐ろしい何かの片鱗を――
じゃねえ。
なんだ、この変な空気。
ものすごいどよめいてるんだけど。
「そうです。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
そんな空気を気にしなかったおばさん先生の一言で、空気がなんだかさらに剣呑なものに変わっていく。
立ち上がらずにもじもじするルイズに向けられる視線、隣あった者どうしで交わされるなんかの合図みたいな視線、おばさん先生を怨みがましく見つめる視線。
なんだか、どれにも尋常じゃない強さがある。
っていうか、怖い。自分に向けられてないとはいえ、真横のヤツに向けられる真剣な視線の群れというヤツは、どうしてこう威圧的なんだろう。
そんなもんだから、ルイズに行かないのか?と問いかける勇気がどうも湧かない。
焦れてきたのか、おばさん先生がさらに声をかける。
「ミス・ヴァリエール! どうしたのですか?」
怪訝そうな先生に、キュルケが困ったように言う。
「先生」
「なんです?」
「やめといた方がいいと思いますけど……」
「どうしてですか?」
「危険です」
教室中のほとんど全員が一斉に頷いた。
「危険? どうしてですか?」
うむ。危険ってなんだろうか。
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
さっきみたいなルイズへの中傷か、とも思ったけど、どうも違う気がする。
皆して、甚いたく真剣なのだ。
「ええ。でも、彼女が努力家ということは聞いています。
さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい。
失敗を恐れていては、何もできませんよ?」
悩んでいたルイズが、ゆっくりと立ち上がった。
「ルイズ。やめて」
キュルケが蒼白な顔で言い、俺の疑念はさらに膨らんだ。
ルイズが魔法を使うと……、どうなるんだろう?
「やります」
そう聞いた時、いつものワクワクする気持ちが少しした。
これもまた、好奇心なんだろう。
緊張した顔でつかつかと教卓に歩いていくルイズを、そんな気持ちのままに見送った。
教卓の前にたったルイズの横に並んだおばさん先生が、にっこりと笑いかける。
「さぁ、ミス・ヴァ
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