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レーヴァティン
第九十九話 要塞攻略その十三

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「じゃあ後はニースの方もな」
「守りを固めますか」
「王国に備えてな」
 そちらはこの国にというのだ。
「そうしていくな」
「そちらも備えられますか」
「そうするな、そして後はか」
「残るはこのヴェネツィアだけです」
 士官は久志に毅然とした声で話した。
「そうなりました」
「そうだな、ここで攻め落とせばな」
 それでとだ、久志はヴェネツィアの湖の上に浮かんでいる様な幻想的な街並を見つつ士官に話した。
「北部は統一だな」
「そうなりますね」
「ああ、いよいよだよ」
 久志はヴェネツィアの街を見つつこうも言った。
「これはな」
「そうなりましたね」
「じゃあな、芳直の湖軍が来たらな」
 その時はというのだ。
「湖と陸からな」
「攻めていきますか」
「そうするな、それとな」
「それと、ですか」
「今は全軍待機だ」
「攻撃はされないですか」
「ああ、今言った通り湖軍が来てからだよ」
 芳直が率いているこの軍勢がというのだ。
「それからだよ」
「では命令を無視して動けば」
「死刑だからな」
 極刑に処すというのだ。
「命令違反の咎でな」
「ではこのことを全軍に伝えて」
「待つぞ、今は」
「わかりました」
 士官は久志の言葉に応えた、そしてだった。
 久志は今は芳直が率いる湖軍が来るのを待っていた、彼の用兵では珍しい街だったが今はそうするのだった。


第九十九話   完


                 2019・1・24
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