第五十話 冬休みその二十
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「おみちに勇んでくれて教会に入ってくれたら」
「おみちにとってもいいんですね」
「そうよ、教会長さんにもね」
「あの、あの子が教会長さんって」
阿波野君がと思って思わず言ってしまいました。
「ちょっと以上に怖いですが」
「怖いの?」
「しっかりした奥さんがいないと」
そうでないと、と本気で思いました。
「困ったことになりますよ」
「そうよね、奥さんよね」
ここで、でした。大石さんは。
私を見てにこりと笑ってこう言いました。
「千里ちゃんもしっかりね」
「私もですか?」
「ええ、しっかりとしてね」
こう言ってきました。
「そうした奥さんになるのよ」
「旦那さんをしっかりと支えられる奥さんにですか」
「そうしたいい子をもっといい子にする様なね」
「あれっ、何か変なことになってません?」
大石さんのお話に妙なものを感じて聞き返しました。
「どうにも」
「普通に言ってるわよ」
「そうですか?」
「ええ、とにかくその子はね」
阿波野君はというのです。
「大事にしなさいね」
「同じ大教会の後輩の子だからですね」
「千里ちゃんはそう言ってるうちはまだまだね」
「まだまだですか?」
「そう、まだまだよ」
何か思わせぶりな大石さんでした、普段はこうしたことは言わないおおらかでそれでいて真面目な人なのですが。
そんなお話をしながら年末のひのきしんをしていきました、そして二十八日には妹達と一緒に八尾の大教会に連れて行ってもらいました。
第五十話 完
2018・4・2
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