暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第113話:OMEGA RUIN
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程度の解析に成功し、理解出来るようになった。」
「17年…!?」
あのケインが自分の設計の約8割を解析、理解するのに17年もの歳月がかかったことに目を見開く。
「爺がエックスの解析にそこまでかかったのは主に頭脳の解析のためだ。“心のプログラム”…Dr.ライトの残したデータにはエックスの頭脳プログラムの全データはあったのだが、その内容はあまりにも異常でな。どのような視点で見ようとも解読不可能な暗号状態になっていたんだ。膨大過ぎるデータ量に複雑過ぎるサブルーチン。何億、何十億と言う特殊な想定事項が基礎構造を覆い隠してしまい、これが爺の頭を悩ませることになったんだ。それでも爺は解析出来ない部分を自身が独自に開発したもので補い、人型レプリロイドのプロトタイプとなるアルファを開発した。」
「アルファが…」
「しかし、そこでエックスの頭脳プログラムの解析が不完全であったが故にある事態が発生した。人間的思考回路のバグによって発生する…お前達の良く知るイレギュラー化だ。エックスがイレギュラー化しないのはDr.ライトによって完璧な人間的思考とウィルスに対するプロテクトプログラムを得ているからだ。流石…と言うべきかな?…ここまで話せば分かるだろう?シグマは人類に対して不信感や憎悪を持っていた。例えゼロのプログラムに感染しなくとも勝手にイレギュラーになっていたろうよ」
ファイナルシグマWの残骸を踏み砕きながらルインは嘲笑うように言う。
「………」
その姿にエックスは複雑な思いで見つめていた。
もしルインの言う通り、シグマのイレギュラー化は防げなかったのだとしても、やるせなさを感じた。
ある意味シグマはこの世界に最も振り回された存在と言っても過言ではないのだから。
「さて、歴史の勉強時間は終わりだ…そろそろ始めるとしよう。ゼロが使命を果たさないと言うのならもう1人のゼロである私が使命を果たす。エックス、貴様を殺し、この世界に存在する全てを無に帰すためにな」
それを聞いたエックスとゼロが動揺する。
「止めてくれルイン!俺は…俺達は…君と戦いたくはないんだ!!」
「そうか、なら無抵抗のまま果てるんだな。甘ったれた感情を抱いたまま!!ダブルアースクラッシュ!!!」
一切の容赦もなく、ルインはエックス達に向けてダブルアースクラッシュを繰り出す。
2つの衝撃波がエックスとゼロに迫り、直撃したものの…。
「ガイアアーマーか。確かパワーと防御力に特化したアーマーだったな。なるほど、あのDr.ライトが防御を追求しただけあって大した防御力だ。」
微笑んだルインの前にはフォースアーマーからガイアアーマーに換装してゼロの前に立ち、両腕を交差してダブルアースクラッシュを凌いだエックスの姿があった。
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