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ダンジョン飯で、IF 長編版
第三十六話  バロメッツのバロット
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バロメッツに近づき、杖の先を向け、切り裂く魔法を使った。
 そして、未成熟の果実を落とし、それを転がして、起きてきたセンシの所へ持ってきた。
「未成熟の果実だけど。なんとかなるかな?」
「調理してみよう。」
 そう言ってセンシが包丁でバロメッツの実を割った。
 すると、中に子羊が入っていた。
「ああ! ダメ! 無理! 違う意味で倫理的に無理!!」
 マルシルが腕で顔を覆った。
 果実の赤い汁まみれの未成熟の子羊の姿は、正直言ってかなりグロい……。
 チルチャックもさすがに、オエっとなっていた。


 バロメッツの肋骨を肉ごと味を付け、火にかける。

 両面に綺麗な焼き色が付いたら、ワインを入れたフライパンに入れ、蓋をして蒸し焼きにする。

 果皮部分は、湯に通して、皮をざく切りにし、ニンニクを加えて一緒に煮込みソースを作る。

 そして、焼いたバロメッツの肉に出来たソースをかける。


「完成じゃ!」
「うぇ、変なの入ってる。」
「バロメッツの実の部分と若芽を入れた。ほれ。」
「バロメッツはね。見た目は羊だけど……。」
 ファリンが解説している間にイヅツミが渡されたバロメッツを食べた。
 そして大きく目を見開く。そして、ガツガツと貪った。
「味は、蟹に似ているんだって。」
「それがどうした。」
 まったくもってその通りである。
 そして、美味しそうにバロメッツを食べ、皿まで舐めているイヅツミを見て、センシとファリンは微笑んだ。
「美味しい?」
「なんだ?」
「よく食べれたのう。偉い偉い。」
「なんだ! 何をする!」
 いい子いい子っと、頭をみんなで撫でると、怒ったイヅツミが爪でひっかいてきた。
「とにかく! 今後も不味い野菜や魔物は食べないからな! 他に道がなかったときだけだ!!」
「ひっかかなくていいのに…。ところで、マルシル。全然食べてないよ? 美味しくなかった?」
「あ…えっと…。」
 ジーッと全員の視線が集まり、マルシルは、逃げ場がないと感じて、バロメッツを食べたのだった……。

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